インフレ期待は若干の改善。でも何かが変わるということでもない。

インフレが今後どのようになっていくかということについては非常に気になるところですが、消費者心理はやや改善の傾向があるようです。先日発表されたインフレ期待はやや改善の傾向がみられ、物価上昇圧力はやや緩和しているような気がします。しかし、依然として不透明感は強く、失業率上昇の懸念も多く残るため注意は必要でしょう。そういうわけで今日は先日発表されたインフレ期待についてみていきます。

インフレ期待は改善

先日発表されたインフレ期待はやや鈍化傾向を示し、消費者の心理はやや改善していることがわかりました。

米消費者の短期のインフレ期待は12月後半に一層後退し、信頼感は改善した。物価上昇圧力の緩和とガソリン価格の値下がりが反映された。

  ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は発表文で「インフレ率がここ数カ月の水準から低下するとの見方に消費者は同意するとみられるが、低下の度合いと速さについては大きな不確実性が残る」と記した。

  耐久財の購入環境に関する指数は速報値から変わらず。消費者は自動車や住宅といった高額なものを購入する際に、金利上昇によるマイナスの影響を意識したと、シュー氏は説明した。

  12月の現況指数は速報値からやや下方修正されたが、11月はなお上回った。期待指数も前月から上昇した。

  今回の調査では、失業に対する懸念が強まっていることも示された。シュー氏によれば、調査対象となった消費者の約45%は失業率が向こう1年に上昇すると予想。この割合は2020年4月以降で最大。

引用:Bloombergより

このように、エネルギー価格の下落などにより物価上昇圧力が緩和されたこともあり、消費者心理はやや改善しています。しかし、依然としてインフレが高水準にあるため、金利も高く、一気に消費が改善していくということはないでしょう。また、雇用の先行きに対する懸念はむしろ増加しており、そういう意味では先行きは不透明だといっていいのかもしれません。

何かが変わるということではなさそう

今回の調査によってやや消費者のマインドは改善していることがわかりましたが、これをもって何かが変わるということもないような気はします。依然としてインフレは高止まりしており、FRBが金融政策を大きく変更するということはないと思います。むしろ、ある程度景気を冷やした方が良いとFRBは考えていると思われるので、労働市場の悪化などはむしろ好都合ととらえる向きもあるでしょう。いずれにせよ短期的には米国経済は良くなる気配はなく、また金融当局もそれを望んでいるため景気の改善というのはまず期待できないのではないかということです。そのため株価もあまりよい結果にはならないと思われます。そういう意味では今回の結果もこれまでの予想を変えるような素晴らしいものということにはならないような気がします。

まとめ

今日は先日発表されたインフレ期待についてみてきました。やや消費者心理は改善しているようですが、これをもって何かが変わるとか改善されたということにはならないような委がします。やはり来年いっぱいくらいはあまりよい状態にはならないのかなという感じです。もう今年も終わりですし、このまま暗い気持ちで終わるということになりそうです。