パウエル議長の認識を確認する

インフレと金融不安という大きな問題を抱える中、今後の金融政策がどのようになるのかということは誰もが気になるところです。そしてその中心人物であるパウエルFRB議長が非公式の会合にて色々と発言したようです。今日はそのことについていていきます。

パウエル議長の発言

パウエル議長は共和党議員との研究会にて最近の金融問題や今後の金融政策についての発言をしたようです。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が共和党研究委員会との非公開会合で、連邦預金保険公社(FDIC)による銀行預金に対する保険の上限を巡り議会は再検討すべきという認識を示したと、共和党のハーン下院議員が29日明らかにした。

ハーン議員は、預金の保証額の制限を巡り協議したとしつつも、「パウエル議長は実際に検討するのは議会の役割と述べた」と明らかにした。

FDICは現在、預金者1人当たり最大25万ドルを保証する。しかし、今月起きたシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を受け、保証の上限引き上げが必要ではないかという考えが浮上している。

パウエル議長はさらに、2銀行の破綻を受け、預金が中小銀行から大手行にシフトしたことは問題となったものの、「そうした動きは減速し収まった」と述べたという。

またハーン議員によると、パウエル議長は年内さらに1回の利上げを実施する可能性を示唆したほか、サプライチェーンに絡むインフレがほぼ緩和されたという認識を示した。

引用:ロイターより

このようにパウエル議長は現在の預金保険のあり方に対して再検討の必要性について言及しました。SVB破綻以降続いている金融不安によって、金融システムに対する不満や再整備の必要性についての声は日々高まってきています。今回、パウエル議長もそれに同調するような発言をしたことでその流れはさらに加速してくると予想されます。実際、これだけ大きな問題を起こしておいて何も問題がないとか対処が必要ないということもないでしょうから、当然といえば当然かもしれません。おそらくは色々と金融機関に対してはこれまで以上に厳しい規制が敷かれたり、高額な保証金を準備しなければならなくなるなど金融機関にとってはやや厳しいものとなるのだろうと思います。しかし、一旦この様な事態に陥れば金融機関全体にとって大きな打撃となるわけであり、多少の負担というのは仕方のないことなのかなと思います。そういう意味では短期的には金融関連にとっては厳しい流れとなるかもしれません。

まだまだ楽観的に離れない

インフレに対する認識についても新たな発言が出てきています。今後の利上げについてはあと一回想定しているようです。そしてインフレについてもこれまでのような厳しいものは収束してきており、今後は厳しい引き締めは必要ないという認識をしています。そういう意味では長く続いた引き締めもようやく終了に近づいたということなのでしょうか。ただ、あくまでこれは現在までの結果と予想される未来通りにすすだと気にこうなるだろうというだけであり、約束されたものではありません。これから発表される経済指標によっていくらでも変更される可能性があることは認識しておく必要があるでしょう。インフレについても落ち着いたように見えてまた再燃する可能性も十分にありますし、金融不安もどうなるかわかりません。そういう意味では決めつけ早めておくべきです。ただ、パウエル議長がそのような認識を示したということは非常に大きいことであり、今後の金融政策がどのようになるのかということのヒントにはなるのだろうと思います。個人的にはまだそこまで確定的なことは言えないような気はしますが、そうなることをぜひ期待したいところです。

まとめ

今日は最近のパウエル議長の発言について見てきました。パウエル議長の認識としては金融システムについては再考の必要性を認識し、インフレについてはそろそろ終着点が見えてきたという認識なのかなというところです。ただ、何が起きるかはわかりませんし、突如として180度違う発言をする可能性もあることは十分に認識しておくべきです。個人的には企業業績も悪化していますし、楽観的にはとてもなれないような気はします。あまり無理はしないほうがいいでしょう。