最近話題のJEPIってどうなの?

最近JEPIというETFをよく目にするようになりました。聞くところによると、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を得ようという何とも欲張りなETFだということです。大体この手の商品というのは、リスクの高い商品を組み入れて運用していたりと、あまり私好みではないのですが、ちょっと気になったので調べてみました。

JEPIとは

引用:マネックス証券 ホームページより 

  • 米国の大型株とオプションの売却を組み合わせたポートフォリオからインカムを獲得し、株式の配当金とオプションプレミアムを原資として毎月分配を目指します。
  • 独自のリサーチプロセスによって分散された低ボラティリティの株式ポートフォリオを構築します。このリサーチに基づいて株価の割高・割安を判断し、リスク・リターン特性の向上を目指します。
  • 毎月のインカムの分配に加えて、S&P500指数よりもボラティリティを抑えながら同指数の値上がり益の部分的な恩恵を享受することを狙った運用を行います。

引用:J.P.モルガン・アセット・マネジメント ホームページより 

この説明を読む限り、すべてにおいていいとこどりをしてやろうという気満々といった感じでしょうか。オプションを組み合わせることにより毎月支払う配当金を確保し、独自の方法によってリスクも抑えながら株価の値上がりも狙おうという、投資家なら誰でも一度は夢を見るような投資商品のようです。

大型株とオプションの部分で構成されるJEPIですが、大型株の部分にはおもにS&P500を中心とした銘柄から選ばれるようです。採用銘柄にはマイクロソフト、アクセンチュア、アルファベットなど超有名企業が並んでいます。その割合は約80%となっており、この部分で市場平均と連動するようにするのでしょう。そして残りの20%がオプションで運用され、毎月の分配金の原資となります。オプションはELNと呼ばれるもので、最終的な支払いが株式等となる一種の債券です。正直、ELNについて説明文を読んでもよくわかりませんでした。この手の商品は非常に難しい仕組みでできているものが多く、私のような素人にはとても理解できそうもありません。サブプライムローンのような大問題を起こすようなものではないとは思いますが、個人的にはあまりお近づきにはなりたくないなと思いました。

ETFの詳細情報

引用:Bloomberg より 

注目すべきところはやはり配当利回りでしょう。7.14%というのは非常に魅力的な数字です。VYMやSPYDのようないわゆる高配当ETFでも大抵3~5%程度です。それらと比べてみても圧倒的な数字です。しかも経費率が0.35%とアクティブファンドにしては非常に低コストとなっています。一昔前だとアクティブファンドは数%の経費率は当たり前だったので、時代は変わったなと思います。インデックスファンドに比べれば高いコストですが、これだけ高い配当利回りがあるのであれば十分おつりがくるレベルです。

基準価格の推移

引用:Bloomberg より 

昨年2020年5月20日に設定されたということで、まだ日が浅いETFですが、順調に価格は上昇しているようです。推移も大体S&P500の動きと連動しています。ETFの説明にもあるように、採用銘柄はファンドマネージャーが独自に選定し、ボラリティが低くなるように設計されています。市場の暴落に耐えられるようにするためだと思われます。よって大きな値上がりも期待できないので、そこは注意が必要でしょう。

分配金の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

分配金は結構変動があるようです。まだ、日が浅いので何とも言えませんが、最近は当初よりも分配金の額が低くなっている傾向があります。ETFの仕組み上、いきなり分配金がなくなることはないでしょうが、必ず毎月の分配金を約束しているわけでもありません。今後についてどうなるかは何とも言えないと思います。

まとめ

簡単ではありますがJEPIについてみてきました。非常に高配当で低コストであり、とても魅力的であることには違いありません。ただ、個人的には購入しようとは思いませんでした。やはり、人の意志が介在するというのはどうしても抵抗があります。どのような基準で組み入れ銘柄を選ぶのか。ファンドマネージャーの変更などがあった場合はどうなるのか。いろいろ心配しだしたらキリがありません。この辺はアクティブファンドを選ぶときは常に考えなければならない問題です。そういう意味でもインデックスファンドの方が安心感はあります。なんでも物事はシンプルにするべきという信念を持っているので、複雑なものは苦手です。大きく儲けることはできないかもしれませんが、着実な利益を目指す方が私には合っています。そして何よりも、設定されてまだ日が浅いというのがとても気になります。本当にそのやり方できちんと利益を上げられるのか実証されていないからです。もちろん、設定に当たっては相当の検証はされていると思います。しかし、現実に起こることを全て予測するというのは不可能です。予定外の事態が起きるということもあり得ます。実際分配金も増えているような感じはないので、今後どうなるのかはだれにもわかりません。そういうわけで、私はこの商品への投資は見送るつもりです。資産のごくごく一部をJEPIにするくらいならいいかもしれませんが、やはり、わからないものには投資をしないという原則は守った方がいいと、都合よく解釈しておこうと思います。