IBMからのスピンオフによりキンドリル誕生!

11月4日、IBMから分社化した「キンドリル」が公開企業としてニューヨーク証券取引所に上場した。これから新たなスタートを切ることになったキンドリルだが、今回のスピンオフはどのようなものだったのか。簡単に確認していこうと思う。

私のような愚か者は意外といるはず?

私はポートフォリオのチェックというのは毎日やっているわけではない。基本長期保有なので、毎日チェックしたところでやることがないのだ。したがって、週末にさらっとチェックして終わりという感じである。週一回でも正直やることがなくて意味があるのかなと思うこともあるが、さすがにあまり放置しすぎると問題が起こることもあるので、趣味も兼ねてチェックしている。そして今日、一週間ぶりにSBI証券にログインしたところこんなメッセージが飛び込んできた。

SBI証券 ログインページ

一般預かりになったIBMについてということだが、何のことだ?と思っていたら、私の保有するIBMもしっかりと特定口座から一般口座へと変更されていた。あわててリンクをクリックしてみると、以下のような案内が表示された。

Q,インターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)が一般預りとして表示されているのはなぜでしょうか。

A,インターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)を保有されていた方は、当該銘柄のスピンオフの影響により、一般預りとなっております。※スピンオフとは、会社の特定の部門を切り離して、新たに会社を設立することを言います。スピンオフにより、インターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)の株式5株に対し、Kyndryl Hodings Inc社株式1株を割当予定になります。※当社では、Kyndryl Hodings Inc社の株式を取扱い予定です。また、割当時に1株に満たない数量が発生した場合は、金銭交付の予定です。金銭交付については、当社WEBサイトにログイン後、「入出金・振替」>「外貨入出金明細」にてご確認いただける予定です。なお、スピンオフが実施された場合は、当社では特定口座の対象外となり、一般預りへ移管いたします。当社では、手続き後、インターナショナル ビジネス マシーンズ(IBM)株の取得価額を記載した「払出通知書」、および金銭交付を記載した「外国株式等 株式分割・権利売却等のご案内」を交付を予定しております。以下も併せてご確認ください。

引用:SBI証券ホームページより

なんとIBMはスピンオフをして、キンドリルという会社を設立したらしい。そして、IBM株式はすべてキンドリルに割り当てられるということだ。調べてみるとずいぶん前からこのニュースは発表されており、ほとんどの投資家はもう対応済みなのだろう。私のように分社化するまで全く気付かなかった愚か者は果たしてどのくらいいるのだろうか?

「Kyndryl」(キンドリル)とは

キンドリルはIBMからITインフラの構築・運用を担う「グローバル・テクノロジー・サービス事業」を分社化してできた会社である。新会社はIBMだけでなく他社製品の保守・運用も手掛けるようになり、多くのユーザーを獲得し収益を高めていくようだ。新会社はIBMの連結対象から外れ、ITインフラの構築・運用に特化したサービスを中立的な立場から提供する。Kyndrylの由来は、「kinship」(親族関係)と「tendril」(植物のつる)の意味で、「顧客やパートナーとともに長期にわたる関係を築き、人類の進歩に向けて取り組む」という意味を込めたという。一方のIBM本体には、ソフトウェアやハードウェアを提供する部門や、ソリューションやコンサルティングを提供する部門などが残る。

参照:ITmedia IBMのインフラサービス新会社は「Kyndryl」(キンドリル)、IBMはなぜインフラサービス部門を分社化するのか? 日米のトップが語ったこと

とりあえずは様子見

今回のスピンオフではIBMのIT部門を分社化したということらしい。そして、今までは当然IBMの仕事しかしてこなかったが、これからは他社からの保守・運用も請け負い、より収益を高めようということなのだろう。とりあえずはIBMとの契約は結ぶのだから、安定した収益は保証されている。問題は今後どの程度顧客を獲得し、収益を高められるかが問題だろう。クラウドやAIなどこの分野は今最も注目されている分野の一つであることは間違いないが、当然ライバルも多い。株価も特別大きく上昇しているようには見えないので市場もまだまだ様子見といった感じだ。

まとめ

今回のスピンオフについては全く知らなかったので本当にびっくりした。調べてみると、一年以上前にはもうニュースになっていたようで、さすがにのんびりしすぎだったなと反省している。とりあえずは様子を見ながら保有か売却を判断していこうと思う。それにしても、スピンオフや買収などアクシデントが起こると大抵特定口座にあった株式は一般口座へ移される。一般口座は損益の計算が面倒なので何とかならないのだろうか?