米国REITが購入できないのはなぜか

本日もJustin Law氏からメールマガジン、「Dividend Growth Stock of the Week」が届いた。以前にもお話したが、「Dividend Growth Stock of the Week」は私のお気に入りのメールマガジンの一つだ。今日の推奨銘柄は「Realty Income」という銘柄らしい。と、いうわけで早速レポートを読んだあと、証券会社で調べてみたらなんと、購入することができないとなっていた。一応銘柄の情報は出てくるのだが、購入はできないとなっている。売却はできるらしいので取り扱っていないというわけではないと思うのだが、おかしい。そんなことがあるのだろうか?そう思っていろいろ調べていたら意外な事実がわかった。というわけで、今回はこの度起きた問題について調べた情報を述べていきたい。

なぜ購入できないのか?

まず、Realty Incomeとはどういう会社かというと、

リアルティ・インカムは、商業用不動産に投資する米国の不動産投資信託会社。主に独立しているシングルテナントの物件を長期リースで取得。さらに、さまざまな業界において複数のテナントに賃貸する物件ネットのポートフォリオを取得する。米国の49州とプエルトリコに位置する物件を所有。ポートフォリオ全体の99.5%は、シングルテナントの物件である。

ヤフーファイナンスより

つまり、この銘柄はREITだったのだ。そこでいろいろ調べてみたら海外のREITは日本では購入できないということになっているらしい。

現在、日本で米国リートが買えない理由は、米国リートが投信法上「外国投資信託」に分類されていることにあるようです。外国投資信託を日本国内で販売するには金融庁への届け出が必要です。

引用:米国リートの個別銘柄が日本で買えない理由(ブログファイナンシャルスター)より

つまり外国の投資信託を日本で販売するには、金融庁へ届け出をしないとだめということだ。さらに今回知ったことだが、海外のETFも金融庁への届け出が必要らしい。当然だが金融庁への届け出というのは、運用会社からしてみればとても手間とコストがかかり、それに見合うだけのメリットがなければわざわざやることもないだろう。日本でも買える海外のETFというのは、それだけの労力をかけた上で我々が買えるようになっているということなのだ。つまり海外REIT運用会社からしてみたら、そこまでして日本で商品を売る必要がないということだろう。REITをはじめ、海外のETF等には非常にいいファンドも多い。なのでこういう規制はなんとかしてもらえると投資家としてはありがたいのだがなんとならないものだろうか。

代替案として

とりあえず「Realty Income」には投資できないことがわかった。大変に残念ではあるが法律に文句を言ってもしょうがないので、代替案を検討してみる。といっても、米国REITのETFくらいだろう。他に投資信託などもあるがちょっと意味合いが変わってくる気もするので、ここでは代替案としてETFを調べてみる。

主にIYR、RWR、XLREの3つ

ネットを見ているとだいたいIYR、RWR、XLREの3つが人気があるようだ。多くのサイトでおすすめ銘柄としてあがっている。いずれもブラックロックやステート・ストリートが運用しており、運用会社の問題はないだろう。あとは個人的に気になる配当利回りと経費率を比べてみる。

  • IYR 経費率0.41 分配金利回り1.88
  • RWR 経費率0.25 分配金利回り3.28
  • XLRE 経費率0.12 分配金利回り3.04

正直もっと高い経費率を想像していたが意外と低い印象だ。特にXLREの0.12%というのには正直驚いた。昔はもっと高い手数料を取られていた記憶があるのだがずいぶんと低くなったものだ。とはいえ、全体的にはやや高めだ。とくにIYRの0.41%というのはいまどき高すぎる。配当利回りも高い経費率を考えるといいとは思えない。ETFということを考えればしょうがないのかもしれないが、やはり無駄なコストはできるだけ抑えたいものである。

まとめ

今回は優良銘柄が目の前にあっても手に入れることができない現実を知ることになった。ある程度は仕方ないとは思うが、こういうことは日本の個人投資家にとって大きな損失である。なんとかこういう規制は極力なくすようにしてもらいたいものだ。しかし、今回私も初めて知ったことなので知らない人も多いのではないだろうか。国を動かそうと思えば世論の大きな声が必要だが、この問題に関心がある人が少ないようだとそうもならないだろう。今回参考にさせていただいたブログ「ファイナンシャルスター」でも、この規制を早くなくしてほしいと書いてあった。私も同感である。しかし、今の所あまりその声は多くないような気がする。そういった現状を変えるべく私も微力ながら声を上げていこうと思い、今日はこの記事を書いたのだ。関係者の方にはぜひとも日本の個人投資家が海外REITをはじめ優良な投資商品に投資をできる環境を作っていただきたい。