株式市場から多くの資金が流出中

米国では引き続き厳しい引き締め政策が実行中であり、日本でもまさかの金融政策の変更ということでマーケットは大きく動きました。それは数字にも表れていたようで、先週の一週間で多くの資金が株ファンドから流出したようです。今後の米国経済の先行きや変わらないと思われていた日銀の姿勢が変わるなど予想外の事態に直面し、投資家の心理はかなり悪化しているのでしょう。まさに2022年を象徴するかのような出来事であり、来年に向けて心配事がまた一つ増えた感じです。そういうわけで今日はこのニュースを見ていきます。

株式から資金が流出

先週の21日までの一週間では株式から多くの資金が流出し、投資家がリスク回避に動いていることが確認されました。

主要中央銀行がインフレ退治の手を緩めない姿勢を鮮明にした後の数日に、投資家は記録的なペースで株式から資金を引き揚げた。世界の株式市場にとって金融危機以降で最悪の1年にふさわしい終わり方だ。

  21日までの1週間に、株式ファンドからは過去最大となる約420億ドル(約5兆5700億円)が流出した。この週に入る直前に米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年の政策見通しについてタカ派的な姿勢を示し、週内に欧州中央銀行(ECB)と日本銀行も続いた。年末恒例のトレンドも売りに寄与したと、ストラテジストらが指摘した。

  この流出額はバンク・オブ・アメリカ(BofA)とシティグループ、バークレイズによるもので、いずれもEPFRグローバルのデータを引用。3行によると、債券ファンドとマネーマーケットファンドも同週に資金が純流出した。

  通年では株式は依然、1665億ドルの純流入。投資家がまだ完全には降参していないことが示唆され、2023年の相場は一段安となる可能性がある。債券ファンドは通年で2570億ドルの純流出。BofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏は、来年前半は債券が株式に対しアウトパフォームするとの見方を示している。

  バークレイズのストラテジスト、エマニュエル・コー氏はリポートで、「2022年の問題の多くは解決されておらず、投資家は値動きの荒い新年の相場を覚悟すべきだ」と警告。「インフレ対リセッション(景気後退)の議論や企業業績の見通し、中国経済再開とウクライナ紛争が引き続き市場の関心を集めるだろう」と指摘した。

引用:Bloombergより

このように、投資家は債券だけでなく、株式からも資金を引き揚げ始めました。依然として引き締め姿勢を緩めない欧米の中央銀行だけでなく、これまで緩和一辺倒であった日本銀行までもが引き締めにかじを切る事態となっており、かなりのインパクトがある一週間だったのだろうと思います。そのため先週は多くの資金が株式市場から消えていきました。通年で見れば依然として流入超過ですが、来年この動きがどうなるのかというのは非常に心配になるところです。特に来年の米国は非常に低成長が予想されており、引き締めも年内いっぱいは続く見込みです。そういう状況ではとてもではないですが、成長は見込めず、株価も上昇しずらいでしょう。そういう意味では大変苦しい年末になったのかなという印象です。

まさにこの一年を象徴するかのような出来事

いろいろと印象的であった2022年ですが、それを象徴するかのような事態かなという印象です。日銀の政策変更は正に誰もが予想しなかった事態であり、多くのインパクトを与えました。一応緩和姿勢に変更はないといっているので、政策的な変更というのは大きくないでしょうが、市場に与える影響というのはとても大きいものです。事実、住宅ローンなどは上昇の気配を見せていますし、日本もついに長期にわたる緩和政策の終了が近づいてきたのかなという印象です。いずれにせよ日本がこのようになったために、世界中を見渡しても株式にとって厳しい状況が広がっている感じです。そしてそれは来年も続いていくでしょうし、そう簡単には変わらないと思われます。そのため今後はしばらく厳しい見通しというのはこれまで通り変わりません。来年もつらく厳しい投資環境というのは続いていくでしょう。しかし、こういう時だからこそ投資は続けていくべきです。歴史を見ればこのような誰もが悲観している時こそが投資の絶好のチャンスであったことは明らかです。なので私は何が起きても投資をやめることはないでしょう。

まとめ

今日は株式市場で起こった資金流出についてみてきました。株式市場を取り巻く状況は悪化するばかりです。投資家にとっては厳しい状況が続きます。私も株価の下落と円高によって資産が一気に減少してきました。見ていると辛くなりますが、見方を変えると買うべき株が値下がりしているし、円高でよりドルを調達しやすくなっていることを考えれば絶好の投資の機会なのかなと思います。そういうわけでこれからもどんどん投資していこうと思います。