3月の米消費者信頼感指数は好調。しかし先行きは不透明。

29日に3月の米消費者信頼感指数が発表されました。結果としては強い労働市場を背景として小幅に上昇したものの、先行きには不透明感が出ているものとなりました。今のところは企業業績も好調で、労働市場も好調であるため一見問題なさそうですが、やはり先行きについてはインフレやウクライナ情勢などにより不安感はかなりあるようです。そういうわけで今日は先日発表された米少々信頼感指数についてみていきます。

結果について

29日に米国の民間調査機関のコンファレンスボードが発表した3月の米消費者信頼感指数は107.2と小幅に上昇し、事前予想の107.0よりもやや良い数字が出ました。2月についても速報値の110.5から105.7へと下方修正されており、この一か月でやや改善したことになります。また、期待指数は76.6と2014年以来の低水準となっており、先行きに対する不透明感を表しています。この発表を見る限り、やはり現在の米国経済は非常に好調であるのではないかと思われます。労働市場も好調であり、2月の米求人件数は過去最高水準を維持しています。そういう意味でも米国経済は力強い成長を続けているといっていいでしょう。

先行きは不透明感が強い

しかし、先行きに関してはやはり懸念があるといわざるを得ません。今回の調査でも先行きに対する不安は大きく出ています。要因としてはやはりインフレとウクライナ情勢でしょう。インフレに関してはやはり深刻であり、今後一年のインフレ期待は7.9%と過去最高を示しています。このような高いインフレも一時的であれば問題ないかもしれませんが、これだけ長く続くようだとさすがに影響も大きく、早ければ今年中にも米国は景気後退局面に入るかもしれません。FRBもこれだけ力強い指標が出てくるのであれば利上げに対して躊躇はなくなるでしょうし、資産縮小にも一気に出てくるかもしれません。そうなればさすがに株式市場にも影響は避けられないと思います。そういう意味では今後の株式市場については近い将来については強気でいいような気がしますが、半年、1年以後になるとやはり警戒は必要なのかなと思います。

ウクライナ情勢は何とも読みづらい

ウクライナ情勢については非常に流動的であり、何とも評価しづらいという印象です。理想を言えばどんな形になるにせよ、早期の決着を見れば株式市場にとってはプラスでしょう。しかし、このままだらだらと戦争が続いてしまったり、核兵器や生物・化学兵器などの使用が認められれば経済にとってはとてもいい影響があるとは思えません。今のところはロシアへの経済制裁の影響も徐々に出てきており、今後はロシアがさらに追いつめられるのではないかと思います。なので何らかの形での停戦が実現することを期待しますが、今のところ何とも言えないというのが現状ではないかと思います。

まとめ

今日は先日発表された消費者信頼感指数についてみてきました。やはり現状の米国経済は非常に好調であるといっていいのだと思います。しかし、先行きに対しては正直悲観的にならざるを得ないといった感じで、市場もそのように見ているのだと思います。ウクライナ情勢もそうですが、やはり一番はインフレでしょう。現状を見る限り、この高いインフレが早期に集結するとは思えません。長期化する気配が日に日に高くなっているように思います。そのなかでFRBがどんどんタカ派となっており、急激な引き締めに走る可能性が結構あるのではないかと思っています。そうなると株価は間違いなく下落し、景気後退に陥るのではないかと思います。そういう意味でも今後は、特にインフレの動向とFRBの金融政策には特に注目すべきだと思います。