マイナンバーカードに健康保険証の機能を紐づけると窓口負担が増える?

マイナンバーカードが導入されてずいぶん経ちました。私はeTaxにて確定申告をしているので結構前に取得して利用していましたが、最近は政府の後押しもあり、少しずつ取得する人も増えてきたように思います。個人的には非常に生活が便利になると思いますのでどんどん利用促進をしていってもらいたいと思っていますが、なかなか進まないのが実情です。そんな中、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付ける制度が始まりました。これによってますますマイナンバーカードの利用価値が高まることが期待されますが、非常に残念なニュースも飛び込んできました。なんと、マイナンバーカードに健康保険証の機能を付けたことにより窓口負担が増えるというのです。これではマイナンバーカードの利用も進まないでしょう。まさに役人仕事といった感じです。そういうわけで今日は、マイナンバーカードへの健康保険証機能の紐付けのニュースについてみていきたいと思います。

マイナンバーカードに健康保険証の機能を紐づける制度が始まる

政府はマイナンバーカードの利用を促進するために、新たな制度を構築しました。それはマイナンバーカードに健康保険証の機能を紐付けすることです。これにより病院でも事務手続きが簡略化され、病院にとっても患者にとっても負担軽減となるために、普及が期待されています。しかし、3月20日時点では全国の医療機関や薬局等の対象機関のうち、導入したのはわずか14%であり、まだまだ普及が進んでいないのが現状です。

患者の窓口負担が増えることになる

これには患者負担増加に対する医療機関の不安があるといわれています。この制度を導入する医療機関では診療報酬として1人につき月1回、初診時70円、再診時40円、薬局の調剤時30円を受け取ることができます。そして患者側にも負担があり、医療費負担が3割の人は初診21円、再診12円、調剤9円の追加負担が生じることになります。医療機関側としては導入コスト分の診療報酬が支払われるのであればいいのかもしれませんが、患者負担も発生するのであれば当然受診する患者が減ることも予想されますから、導入に慎重になるのもわかります。

紙の健康保険証を利用しても負担は増える可能性がある

注意点としてはこの制度を導入した医療機関では今まで通りの紙の健康保険証を利用した人も負担増となるところです。マイナンバーカードを利用すると負担が増えるということではありません。要は医療機関での導入コストをその医療機関を利用するすべての人で負担しましょうということでしょう。なので自分が利用している医療機関がこの制度を導入した場合、マイナンバーカードを利用しようがしまいが負担増は避けられません。導入していない医療機関では当然紙の健康保険証しか利用できませんから、窓口負担は今まで通りです。この辺りは非常にわかりづらいところなので注意が必要でしょう。

入り口でハードルを設けるべきではない

今回の窓口負担の件に関しては非常に問題があるのではないかと思います。どんな形になるにせよ、負担が増えてしまえば利用が促進されることなどありえません。なので、普及をさせたいのであればこのような負担は科すべきではありません。むしろ、紙の健康保険証を使うと利用が増えるという風にすれば大抵の人はマイナンバーカードに変更すると思いますし、その方がよっぽど普及も進むと思います。そういう意味では何ともちぐはぐな感じがします。この制度が普及すれば医療機関も患者もいろいろな利益が得られると思います。そういう意味では多少の負担は大した問題にはならないようには思います。しかし、目に見えて負担が増えるということは、結果としてメリットが大きいのだとしても非常に大きなハードルとなってしまうでしょう。そういう意味ではこのような窓口での負担増というのはやめるべきだと思います。

まとめ

今日はマイナンバーカードに健康保険証の機能を紐づけるニュースについてみてきました。この制度自体は非常にいいものだと思います。とても便利だし、医療機関にとっても患者にとってもメリットが大きいものです。なので窓口負担なんてもので足かせを付けるべきではないと思います。このようなことをすれば結局普及が遅れ、誰も利用しなくなってしまうでしょう。そうなれば制度のために投資したお金がすべて無駄になるなんてことも出てきてしまうかもしれません。そういう意味でも今回の決定というのはあまりいいものではないと思いました。