9月の消費者物価は予想通り強いものとなった

米国のインフレは予想通り、まだまだ落ち着く気配がありません。9月の消費者物価指数は市場予想を上回る結果となり、改めてインフレはいまだ健在であることが確認できました。これによりFRBに対する利上げ圧力はさらに高まると考えていいでしょう。そういうわけで今日は9月の消費者物価指数についてみていきます。

9月のCPIはやはり強い数値だった

先日発表された9月の消費者物価指数は市場予想を上回る結果となりました。

9月の米消費者物価指数(CPI)は、変動の大きい食品とエネルギーを除くコア指数が市場予想を上回り、40年ぶりの高水準となった。インフレ高進の定着を防ぐため、米金融当局に一段と積極的な利上げを迫る内容となった。

  総合CPIは前月比で0.4%上昇。市場予想は0.2%上昇。前年同月比では8.2%上昇。市場予想は8.1%上昇だった。

  9月は広範な分野で上昇。発表資料は「多くの要因」の中でも特に住居費と食品、医療の指数の伸びが目立ったと記している。ガソリンと中古車は前月比で低下した。

  7日に発表された9月の米雇用統計が堅調な内容だったことに加え、この日のCPI統計が予想を上回ったことを受け、次回11月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で4会合連続の0.75ポイントの利上げが行われる公算が大きくなった。さらに、12月の会合でも同じ幅での利上げが実施されるとの観測も広がった。政策金利の来年のピーク水準に関する市場予想も引き上げられた。

  9月は住居費が前月比0.7%上昇。8月も0.7%上昇だった。同項目はサービス分野で最大の構成要素で、CPI全体の約3分の1を占める。家賃と帰属家賃はいずれも前年同月比で6.7%上昇と、統計開始後最大の伸びを記録した。

引用:Bloombergより

このように米国のインフレはいまだ健在です。数日前の生産者物価も市場予想を上回るものだったためにこの高い数値というのはある程度予想できたのではないかと思います。ただ、そうはいっても現実を突きつけられると改めてその対処の難しさというものを実感するところです。

FRBは今後も強力な引き締め政策を実行していくだろう

このためFRBは引き続き引き締め政策を続けていくことでしょう。一時期あった緩和論というのはもうこれで完全に吹き飛んだといっていいと思われます。FRB関係者からもインフレ抑制のための引き締めの継続を主張する声は多く聞かれます。また、労働市場もいまだ堅調なため、米国は十分に引き締めに耐えうるだけの体力は残っていると判断できるでしょう。そういう意味でもより強力な引き締めが今後も続いていくと思われます。

為替はしばらくドル高

非常に強い消費者物価の数値を受けて為替市場ではドル高が進んでいます。ドル円は一時147円台に乗せる動きとなっており、FRBの金融政策が今後も厳しくなることを市場は織り込み始めました。そのため日本ではまだ為替介入などの話題が出てくるかもしれませんが、はっきり言ってあまり効果はないだろうと思います。やはり日本だけの単独介入では効果は限定的ですし、米国をはじめ諸外国の理解を得ることはできないと思われるからです。また、今は円安ではなくドル高です。円だけでなくほぼすべての通貨が安くなっています。日本のように緩和政策を行っていない諸外国でも自国通貨が安くなっている現状を考えると、日本が仮に介入をしたり金融政策を変更したところでたいした効果はないと思われます。結局のところ米国次第というわけです。

まとめ

今日は9月の消費者物価についてみてきました。やっぱりというかインフレはいまだ健在ということです。この流れはしばらく続いていくのでしょう。あとは米国経済が倒れるのが先かインフレが落ち着くのが先かの我慢比べといった感じです。まあ、あまり分のいい勝負とは思えませんが、今更言っても仕方ないでしょう。始まってしまったものは途中下車はできません。何とか大けがはしないようにうまく乗り切るように頑張るだけです。