いろいろ言われてはいるがやはり9月は75bpでの利上げだろうと考える

先日は9月の利上げについては75bpでの利上げだろうという見解を示しました。ただ、当然ながらそれは決定事項ではありません。まだ態度を決めかねている当局者もいますし、非常に懸念されるような経済指標の発表も相次いでいます。基本的には75bpでの利上げの確率が高いとは思いますが、まだ決めつけるというのには早い段階でしょう。というわけで今日は引き締めが緩む可能性について考えていきます。

バーキン総裁は明確な態度を示さず

リッチモンド連銀のバーキン総裁は講演で、インフレ抑制の重要性を述べつつも、9月の利上げについては明確な回答をしませんでした。

米リッチモンド連銀のバーキン総裁は、金融当局は高インフレを抑制させる決意だとし、その取り組みの過程で米国のリセッション(景気後退)を引き起こすリスクもあるとの認識を示した。

  総裁は19日、メリーランド州オーシャンシティーでのイベントで講演。「われわれはインフレ率を目標の2%に回帰させることにコミットしており、その達成に向けて必要な措置を講じる」と言明。インフレ率の2%への回帰は「経済活動の著しい落ち込み」を招かずに達成し得るとしつつ、リスクが存在することも認めた。

  バーキン総裁は「インフレを制御する道はあるが、その過程でリセッションが起きる可能性もある」と述べた。

  約40年ぶりの高インフレを抑制するため、連邦公開市場委員会(FOMC)は6月と7月の2会合連続で75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを実施した。ただ9月会合での利上げ幅を巡っては、当局者の間で温度差も見られている。

引用:Bloombergより

バーキン総裁はこのように述べ、インフレ抑制のためにあらゆる行動をするという決意を示しました。しかし、講演の中では今後の利上げについての明確な数値については言及せず、柔軟性を持たせるスタンスを残しています。FRB当局の中でも強硬に利上げを主張する人とそうでない人はいます。そのため今後の金融政策についてはまだ確定的なことは言いづらいのかなという印象です。

住宅ローン業界で倒産が相次ぐ

経済の方の視線を移せば確実に景気公害が迫っているといっていいでしょう。金利の急激な上昇に伴い、住宅ローン金利も急上昇しています。そのため住宅ローン業者が相次いで倒産をしているようです。

米住宅ローン業界で、貸出金利の急上昇を受けて倒産する業者が相次いでいる。こうした倒産の波は、約15年前の住宅バブル崩壊以来で最悪になる恐れがある。

  今回は金融システムを揺るがすほどのメルトダウンは起きていない。過剰融資の水準が当時とは異なる上、大手銀行は世界金融危機後に住宅ローン事業から手を引いたためだ。それでも、一連の倒産は、業界全体で従業員のレイオフが急増し、一部貸出金利のさらなる上昇につながる得る規模にはなりそうだと市場関係者は見込んでいる。

引用:Bloombergより

金利上昇を受け、住宅ローン金利も当然ながら上昇しています。そのため不動産市場は急激に悪化してきています。中古住宅販売などの指標も以前から鈍化の傾向が出てきていましたが、ここへ来て父さんという形で経済にも悪影響を与えるようになってきたのです。このことは経済にとっては大ダメージであるといって間違いありません。今後の米国経済にとって費用に大きな問題の一つとなるでしょう。そういう意味では今後の先行きについてはとても懸念が残る展開となっています。

そうはいっても75bpでの利上げが第一候補

個人的にはやはり75bpでの利上げの確率が高いのかなとは思っています。FRB当局者の中でも見解は分かれてはいますが、少なくとも緩和を断言している人はいないような気はします。あくまでニュートラルといった印象です。これらの人たちも今後の経済指標によって十分にタカ派に触れる可能性はありますし、高いインフレを抑制するという目標を考えればそうなるのが普通なのかなといった印象です。ただ、不動産市場をはじめ、米国経済にとってかなり悪い数値も多くなってきたことも事実です。そういう意味ではいったん利上げのペースを緩めるという判断が出ないとも限らないのかなとも思います。個人的には労働市場はまだまだ健在ですし、一番の課題はインフレだということも考えれば9月は75bpでの利上げの確率が高いとやはり思っています。

まとめ

今日は今後の金融政策について考えてみました。まだ態度を決めかねている人も多くいるようですが、それでもあくまでニュートラルというスタンスであり、緩和と明確に判断している人はほぼいないといっていいのかなと思います。そういう意味ではやはり今後も厳しい引き締め政策はしばらく続いていくのだろうと思います。もちろん決定までにはあと一か月ほどありますから決めつけるわけにはいきませんが、それが第一選択ということで間違いないでしょう。