中古住宅市場は大幅に改善するも、まだまだ正常化への道のりは険しい。

低迷が続く不動産市場ですが、少しずつ変化の兆しが見えてきています。昨日発表された2月の中古不動産販売件数は久しぶりに大幅増加となり、金利上昇のため低迷が続いていた不動産市場にも久しぶりに明るい話題が出てきました。金融不安が続く中、まだまだ混迷は深めていく可能性は十分にありますが、状況は刻一刻と変化しています。

中古住宅市場は大幅に改善

昨日発表された2月の中古住宅販売件数は大幅に増加となり、2020年代以来の大きな伸びとなりました。

全米不動産業者協会(NAR)が発表した2月の中古住宅販売件数は、2020年半ば以来の大幅増加となった。金利上昇を背景に1年間続いた過去最長の連続減少がストップした。

  NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は発表資料で、「住宅購入者は住宅ローン金利の変動を意識し、金利が低下するいかなる局面でもそれに乗じている」と指摘。「さらに、住宅価格が下落している地域や雇用が増加している地域で住宅販売の力強い増加が見られる」と続けた。

  住宅ローン金利はピーク水準から低下し、銀行セクター混乱で米国債利回りが下がるのに伴い、一段と低下する可能性があるが、中古住宅市場は在庫不足を理由に困難な状況が続く可能性もある。

  中古住宅販売在庫は98万戸と、前月から変わらず。販売に対する在庫比率は2.6カ月。同比率は5カ月を下回ると在庫がタイトと見なされる。

  中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比0.2%下げて36万3000ドル(約4800万円)。11年ぶりの下落となり、前年同月比ベースでの記録的な連続上昇が終了した。

  2月に売れた住宅の約57%は、市場に出てから1カ月未満で買い手が決まった。物件が市場に出ている平均期間は34日で、1年前の2倍に近い。

引用:bloombergより

このように中古住宅市場はこれまで続いてきて低迷期を脱出したように見えます。右肩上がりで金利が上昇する中、住宅ローンも急激に上昇してきました。しかし、ここへ来てローン金利もピークを過ぎたようで、低下をしてきています。そのような状況になってきたために販売も好調になってきたのでしょう。しかし、今後についてはまだ不透明感が続きます。金利については当初思っていたほど緩和されるのには時間がかかりそうです。しかも金融不安が再燃し、まだ萌え続けている現在、住宅市場がこのまま好調を維持する保証はどこにもありません。そういう意味でもまだ安心できるとは言えないでしょう。

それどころではない

ようやく不動産市場にも明るい兆しが見えてきたように思いますが、正直言って今はそれどころではないというところでしょう。それらを吹き飛ばすような事態が現在進行系です。そのためそれらがどのような展開を経て収束するのかということのほうがより重要な問題になってきています。そういう意味では現在行われているFOMCでどのような結論が出てくるのかということのほうがより重要でしょう。おそらくは25bpでの利上げが行われるとは思いますが、当初考えられていた金融政策は多少なりとも変更する必要性があることを示唆するのではないかと思います。そういう意味ではなかなか経済正常化への道のりは険しいなという印象です。

まとめ

今日は不動産市場について見てきました。中古住宅市場が県庁になってきたことは素直に喜ばしいところですが、なかなかかんたんには行きません。なんと行ってもFOMCでどのような結論が出されるかということが何よりも注目されます。残念ながら、どのような結論になろうともかんたんには行かないでしょう。しばらく苦しい展開が続きそうです。