製造業の先行きは意外と明るい?

米国経済は日増しに悪化の気配を漂わせてきています。昨日発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は大幅な低下となり、製造業の現場では大きな活動の低下が起こっていることがわかりました。リセッションの懸念は以前より高まっていましたが、その懸念がさらに加速してきた格好です。

製造業の景況感は大幅に悪化

昨日発表されたニューヨーク連銀製造業景況指数は大幅な定価となり、米国の景気が大幅に交代し始めた可能性を示唆しました。

5月のニューヨーク連銀製造業景況指数は約3年ぶりの大幅低下となった。受注と出荷の指数がそれぞれ急低下したことが影響した。

  景況指数は2021年半ばから大幅な変動が続いている。2-9日に実施された今回の調査では、事業環境が悪化しているとの回答が50%近くに上った。

  新規受注の指数は20年4月以来の大幅低下となり、年初来の低水準を付けた。出荷指数は40ポイントを超える低下。

  前月に20年以来の低水準に並んでいた仕入れ価格指数は、5月に上昇した。販売価格指数は前月からほぼ変わらず。

  雇用者数の指数は雇用者数が減少したことを示唆したが、前月ほど大きなマイナスにはならなかった。週平均労働時間の指数も縮小圏にとどまった。

  在庫水準は20年10月以来の水準に低下。受注残もマイナス圏に低下した。

  一方で将来に対する見方は比較的明るく、景況指数の見通しは3カ月ぶり高水準となった。新規受注と出荷の見通しもそれぞれ上昇ペースが加速した。仕入れ価格と販売価格の見通しはそれぞれ伸びが鈍化した。

引用:bloombergより

このように米国の製造業は非常に景気悪化が進んできています。長く続くインフレと引き締め政策の影響もあり、企業活動の現場は大きく疲弊してきていることが確認された格好です。他の多くの経済指標でも景気悪化のサインというものは多く出てきており、それと連動するような形を示したということはやはり米国の経済はかなり悪化してきているということでしょう。そういう意味ではリセッション入りというのはますますその可能性が高くなったと言わざるを得ないのかなという感じがします。その一方で今回の調査では将来の先行きに関してはやや明るい見通しを示していることも明らかとなり、意外とそこまで景気は悪化しないのではないかという期待をもたせるようなものにもなっています。そのあたりが今後どのようになるのかというのが非常に注目されるところでしょう。

先行きは意外と明るいのか

やはり米国経済はかなり悪化しているということなのだと思います。日々悪いニュースばかりが届く現状はとても楽観できるものではありません。今回の経済指標もそれを裏付けるものであり、株価の上昇というのはまだまだ先になるのだろうという感じがしています。ただ、先行きに対してはやや楽観的に見ているというのは少し意外だったような気がします。個人的にはそこまで楽観的にはなれないような気がするので違和感は多少残る結果でした。今後についてもFRBは引き続き引き締めを継続する見込みです。一時的に停止することはあっても緩和へと移行するのはまだまだ先の話でしょう。更に債務上限の問題なの悪いニュースはいくらでもあります。そんな中で先行きに対してやや楽観的な結果が出るというのは本当にびっくりしたというところです。このあたりが今後どうなるのかというのは非常に気になるところかなと思いました。

まとめ

今日はニューヨーク連銀製造業景況指数報告について見てきました。現状、米国の製造業はかなり景気悪化が進んできています。そういう意味では非常に厳しい状況であるということには代わりありませんが、やや先行きに対しては明るい兆しもあるのかなという感じです。実際どうなるのかについてはなんとも言えませんが、そうなることを期待したいところです。