新規失業保険申請件数は小幅に増加。労働市場は相変わらず堅調。

米国の労働市場は引き続き底堅さを見せています。先週一週間の新規失業保険申請件数は小幅に増加し、依然として労働市場は強さを失っていないことが確認されました。インフレがようやくピークを迎え多様に見えますが、そこから目標とする2%の物価目標へと収束するのはまだまだ先のようです。

新規失業保険申請件数は小幅に増加

先日発表された先週一週間の新規失業保険申請件数は小幅に増加し、今もなお労働市場は緩んではいないことが確認された形です。

先週の米新規失業保険申請件数は小幅に増加した。ただ、前週までの数週間分は大幅に下方修正された。マサチューセッツ州で大量の不正申請が見つかったことが背景にある。

  マサチューセッツ州は過去3カ月相当の失業保険申請件数を下方修正。主に不正が理由だと説明した。これにより、同申請件数は季節調整前ベースで従来発表よりも約17万1000件少なくなった。

  今回のデータは労働市場が一部で考えられていたほど軟化していないことを示している。失業保険申請件数の全体的な水準はまだかなり低く、労働需要の強さを示唆している。

  連邦海軍信用組合のコーポレートエコノミスト、ロバート・フリック氏は「こうしたボラティリティーや修正は労働市場の活力を示す信頼できる指標というよりも、データ収集のシステムが不安定なことを示唆している」とリポートで指摘。他の指標では「健全な」雇用市場が示唆されていると付け加えた。

  全米の失業保険申請件数は季節調整前ベースでは先週に20万2044件に増加した。コネティカットやテキサスなどで増えた。

  より変動の少ない失業保険申請の4週移動平均は23万1750件で変わらず。

  失業保険の継続受給者数は5月13日終了週に179万人に減少した。

引用:bloombergより

このように米国の労働市場は堅調です。最近ではマサチューセッツ州で不正申請の事件が起こったため、ややデータに歪みが生じていました。そのため正確な評価ができていませんでしたが、それが修正されたことによって改めて労働市場は堅調であることが確認された形です。一部では労働市場はなんかを始め、インフレも落ち着いてきたという予想も出ていましたが、そこまではっきりと労働市場が落ち着いたとはこのデータからは言えないような気がします。労働市場が健全であることは良いことではありますが、インフレがこのまま高止まりする可能性が高く、金融政策も厳しく継続される可能性が出てきます。そういう意味では非常に悩ましい結果と言っていいでしょう。

労働市場は相変わらず堅調

相変わらずの労働市場と言ったところでしょうか。高いインフレと金利を持ってしても米国の労働市場はタイトであると思います。さすが米国だと言いたいところですが、FRBにとってはやや頭の痛い問題であることには変わりありません。労働市場がタイトであり続ければインフレを助長し続ける可能性があり、FRBとしても金利を引き下げるということはしづらくなると思われます。景気後退の可能性が非常に意識される現在、金融政策の柔軟性を失うということは非常に問題であると言っていいでしょう。そういう意味では困った問題なのかなという印象です。実際この数字を見てパウエル議長をはじめFRB関係者がどのように評価するのか気になるところですが、あまりに強い労働市場というのは歓迎されないはずです。そういう意味ではあまり歓迎されない結果なのかなという印象です。

まとめ

今日は新規失業保険申請件数について見てきました。相変わらず労働市場は堅調です。本当に何をやっても雇用は悪化しないのではないかと思ってしまうほどの強さを見せています。これがいつまで続くのかわかりませんが、少なくとももう少し労働市場も落ち着いてほしいとFRBは考えているのではないかと思います。そういう意味では予想されているよりも金融政策は厳しく継続される可能性が高くなったのかなと思います。