あまりに大きくなりすぎたインデックス運用の問題点。

個人投資家が行う投資法としてインデックスに投資するというものがあります。当サイトでもかねてより推奨していますし、特に最近は非常に社会に広まったという実感があります。そのため、インデックス投資をしている人というのはかなりの人数に上っているのではないかと思います。個人的には非常に良い傾向だと思いますが、もしかしたら思っているよりも良い影響はないのかもしれません。そのリスクについての記事が載っていたので今日はそれについて考えてみます。

インデックスのデメリット

その記事は5日にBloombergに掲載されました。タイトルは「マスク氏、パッシブ運用は「度が過ぎている」-ウッド氏も論争に参戦」というもので、今話題のイーロンマスク氏がインデックス運用についての批判をしているというものです。その中でマスク氏は以下のようにインデックス投資について批判しています。

パッシブ運用は「度を過ぎている」と批判。アーク・インベストメント・マネジメント創業者のウッド氏も議論に加わり、S&P500種株価指数に連動した投資では、テスラが同指数に組み入れられる前の大幅上昇のチャンスを逃していただろうと述べた。

引用:Bloombergより

マスク氏はインデックス投資ではS&P500に採用される前のテスラが大幅に上昇していたチャンスを逃していたために、インデックス投資では大きな利益を上げられないというのでしょう。このことは確かにインデックス投資のデメリットの一面でもあります。VOOなどの株式指数連動のインデックスに投資した場合、将来大きく伸びる可能性のある企業を買うということはほとんどできません。これは当時のテスラのような将来の可能性は十分にあるけどまだ株価にそれが反映されていないものは株式指数に採用されないということからきます。S&P500や日経平均のような指数はある程度の規模がないと採用されません。なので小さなベンチャー企業などが大きく伸びるときの利益を享受することはできないのです。そのためマスク氏はインデックス投資を批判しているのです。

運用会社の影響力はどの程度の物なのか

もちろんマスク氏もインデックス投資事態を完全に無意味だとは思ってはいないのではないかと思います。要は程度の問題でしょう。最近はアクティブ運用に比べてパッシブ引用の割合が非常に増えてきました。そのためインデックス運用をしているグループの影響力が異常に増してきていることを問題視しているのだと思います。記事にも出てきますが、現在インデックス運用を行う運用会社としてブラックロックやバンガードなどの会社が有名です。それらの企業がインデックス運用を経て企業の議決権を持つことが問題だといっています。確かにこれらの運用会社が持っている議決権というのはとてつもなく大きいものなのだろうと思います。ということはブラックロックなどの企業は現在の株式市場に株式を公開している企業の多くのかなりの絵協力を行使できる可能性を秘めているのです。そういう意味ではここまでパッシブ運用での投資が広まっている現在、運用会社が持っている影響力というのは無視できなくなっているのではないかと思います。そういう意味では今後、何らかの規制等、悪影響が出ないようなルール作りをしようという動きが出てくるのかもしれません。

まとめ

今日はイーロンマスク氏の記事をもとに拡大しているインデックス運用の問題点について考えてきました。この記事を見て、確かにその通りだろうと思いました。運用会社は非常に巨大な資金をもとに企業の株を買っています。なので持っている議決権というのもかなりのものになるでしょう。そうであればそれを問題視する声も上がってくるのも当然な気がします。そもそもインデックスには多少なりとも人間の意志というものが介在しているものです。S&P500でいえば、何を採用するのかというのを最終的に決めているのは人間です。以前も当サイトで述べたこともあると思いますが、新興国や先進国など株式の分類についても決めているのは人間です。その決定次第でそれらの株式市場や個別の銘柄が大きく動くというのは誰もが知る事実です。そのため裏ではいろいろな動きがあるのだろうと思います。そういう意味でもインデックスが過度に大きくなったり、その基準が不透明な部分というのは問題があるのではないかと感じます。そういう意味ではあまりインデックスばかりに投資するというのも危険なのかもしれません。