次回のFOMCでは25bpでの利上げがほぼ確実か

次回の利上げについてはいろいろな意見があるとは思いますが、大きな流れとしてはやはり25bpということになるような気がします。最近のインフレ鈍化を示す経済指標が相次ぐ中、やや緩めの利上げを主張する人は日々増えています。今日もそのような発言が相次いでおり、その可能性はさらに高まったといっていいのかなという感じです。

ウォラー理事は25bpでの利上げを支持

FRBのウォラー理事は講演において、次回開催されるFOMCにて25bpでの利上げを支持する発言をしました。

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は20日、連邦公開市場委員会(FOMC)が1月31日-2月1日に開催する次回会合では利上げ幅を再度縮小することを支持すると述べた。

  ウォラー氏はニューヨークの外交問題評議会(CFR)で講演し、「現時点においては、今月末の次回FOMC会合では25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを支持する」と発言。「それ以降については、当局の2%インフレ目標に向け、まだかなりの道のりがある。金融引き締めの継続を支持する見通しだ」と話した。発言は講演原稿に基づく。

  「第一の仕事はインフレ鈍化での進展を維持することで、個人消費の減速はその進展を支えるだろう」と同氏は指摘。実質所得の減少と借り入れコスト上昇も、インフレが当局の2%目標に「より速やかに」戻るのに寄与するとの考えを示した。

  ウォラー理事は「インフレが加速し、経済生産が横ばいとなっていた6カ月前、ソフトランディング(軟着陸)はなお可能だと私は主張していた。労働市場に深刻な影響を及ぼすことなくインフレで進展することは大いにあり得ると論じていた」と指摘。「今のところ、それを実現することができている。こうした進展は継続し得ると私は引き続き楽観的だ」と語った。

引用:Bloombergより

このようにインフレ鈍化の兆しを見せた経済指標を受けて次回はやや低めの利上げが妥当だという判断のようです。当然ながら現時点において金融緩和については否定的ですが、利上げのペースについてはやや緩めることが可能だろうということでしょう。

ハーカー総裁も25bpでの利上げを支持

フィラデルフィア連銀のハーカー総裁もウォラー理事同様に25bpでの利上げを支持しています。

米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁は20日、金融当局は過去数十年で最も積極的な引き締めサイクルの終局に近づく中、0.25ポイントのより漸進的な利上げを実施するべきだとの考えを示した。ニュージャージーの銀行業界関連フォーラムでの発言。

  ハーカー氏は「今年は複数回の追加利上げを行うと見込んでいるが、私の考えでは、75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利上げの時期が過ぎたことは確かだ」と述べ、「私の見解では、今後は25bpの利上げ幅が適切になるだろう」と続けた。発言は講演原稿に基づく。18日の講演内容を繰り返した格好。

ハーカー総裁「今後は25bp米利上げ幅が適切」-ある時点で据え置く

  その上で「年内のある時点で政策金利は十分景気抑制的になり、金融政策を機能させるために金利を定位置で据え置くことになるだろう」と指摘。「利上げを進め、インフレ鈍化の兆候が見える中でも、米経済が全体として比較的健全な状態を維持していることは、心強く感じられる」と語った。

  ハーカー総裁は今年の連邦公開市場委員会(FOMC)で議決権を有している。

引用:Bloombergより

このように最近では次回利上げについてはやや緩めと主張する人が増えてきているように思います。株式市場が期待するような緩和ということはさすがにないだろうとは思いますが、利上げについてはやや低めになることはほぼ間違いないのかなという印象です。

次回は25bpでの利上げがほぼ確実だろう

次回のFOMCは月末から来月頭にかけて開催されます。それまでの間にもう雇用統計や消費者物価のような物価動向に大きく影響を与えるような指標の発表は少ないように思います。そういう意味ではもうこの路線というのはほぼ決定なのかなという印象です。おそらく次回のFOMCでは25bpでの利上げが決定されることでしょう。もちろん絶対ではないので思い込みで行動することは危険ですが、よほどのことがない限り変更はないと思います。そういう意味では去年より続いてきたインフレとの戦いもようやくフェーズが変わってくるということでしょう。しかし、すぐに思い描くような明るい未来が来るということは確率的には低いといわざるを得ないでしょう。経済は悪化の一途です。インフレも落ち着いてきたとはいえまだまだ高止まりしています。唯一明るいニュースとしては雇用が堅調ということですが、これもいつまでもつかわかりません。そして雇用が堅調であればそれだけインフレを抑制するのも難しくなるという事も頭の痛い問題です。そういう意味ではまだまだ安心はできないでしょう。

まとめ

今日は次回の利上げがどのようになるのかについてみてきました。よほどのことがない限り次回のFOMCでは25bpでの利上げが行われることはまず間違いないのかなという印象です。なのでそこでの大きなサプライズはあまり可能性は低いのかなという印象です。もしかしたらパウエル議長の声明などで新しいものがあるかもしれませんが、いまのところは何とも言えないところです。ようやくインフレとの戦いにも変化が出てきた感がありますが、終焉まではまだまだ時間がかかりそうです。