9月の利上げ幅については75bpになるのか

9月のFOMCがだんだんと近づいてきています。そのため当局者の発言には自然と注目が集まるようになってきました。それらを見る限り9月の利上げというのは75bpになる可能性が高いといっていいでしょう。インフレ抑制のために断固たる決意を示してきたFRBはその姿勢を崩していないようです。そういうわけで今日は9月の利上げについて考えてみます。

9月は75bpになる可能性が高い

9月の利上げについて、2人の関係者の発言が出てきました。いずれも引き締めについて緩めるという感じではなく、引き続きインフレ抑制のために厳しい姿勢で臨むべきという感じです。

米セントルイス連銀のブラード総裁は、3回連続となる75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げに対する支持を強めたと述べた。米連邦公開市場委員会(FOMC)が来年、高金利を維持する可能性をウォール街は過小評価しているとも指摘した。

  「75bpの方向に傾いていたところ、先週2日に発表された雇用統計の数字はまずまず良好だった」とブラード氏は8日遅く、セントルイスでのブルームバーグ・ニュースのインタビューで語った。来週発表される消費者物価指数(CPI)でインフレ抑制の進展が示される可能性はあるが、「単一のデータに次回会合での決定を左右させるわけにはいかない。従って現時点では75bpへの傾斜をより強めているところだ」と話した。

 総裁はまた「こうした利上げの前倒しを試みる全般的な戦略は奏功しており、インフレに間もなく低下圧力を加える政策金利水準に到達し得る状況をもたらす」とし、「私の考えでは、実施は早ければ早いほど良い傾向にある」と述べた。ブラード総裁は今年のFOMCで議決権を有している。

  「インフレが比較的高く、2%へ戻すのにかなり時間を要する可能性について、ウォール街の織り込みが足りないと感じている」とも発言。「つまり政策金利はより長期間、より高い水準に設定されていなければならない。このシナリオは、現在の市場のプライシングで十分な注目を集めていない」と述べた。

引用:Bloombergより

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は9日、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で「再度の大幅な」利上げを支持すると述べ、0.75ポイントの行動を支持することを示唆した。

  ウォラー氏はオーストリア・ウィーンの高等研究所で講演し、「インフレはあまりにも高過ぎる水準にあり、インフレが下方向に意味ある形で持続的に推移しつつあるかどうか判断するのは時期尚早だ」と発言。「政策金利が明確に需要を抑制する水準になるよう、9月20-21日の次回会合で大幅な利上げを支持する」と述べた。発言は講演原稿に基づく。

  「インフレに関する期待の持てるニュースは歓迎するが、それが当局の2%目標に達する軌道に沿って下方向に意味ある形で持続的に推移しているとの説得力ある証左はまだ見られない」と同氏は指摘。「コア価格の意味ある、かつ持続的な減速が見られるまで、金融政策引き締めで意義ある一段の措置を講じることを支持する」と話した。

  その上で、「追加利上げの規模に関する将来の決定、およびこのサイクルにおける政策金利の行き先は、今後入手するデータとそれが経済活動や雇用、インフレに関して持つ意味合いによってのみ決まるべきだ」と語った。

  同氏は米金融当局が「少なくとも来年の早期まで」利上げを続けるとの見通しを示した。

引用:Bloombergより

このようにブラード総裁、ウォラー理事ともに9月の利上げについては75bpになる可能性を示しました。以前よりFRBは厳しい姿勢を見せてきていましたが、その姿勢は現在も変わっていないということが確認できるものです。やはりインフレ抑制のためには経済の一時的な悪化というのは仕方ないということなのでしょう。そういう意味では今後は株式市場にとって厳しい展開となる可能性はさらに高くなったといわざるを得ないのかもしれません。

市場は少し楽観的過ぎる気がする

少し気になるところはブラード総裁の発言の中にもある通り、今後の展開について株式市場が楽観的過ぎるという点です。今後、インフレとの戦いは長期戦になる可能性が非常に高いです。そのため金利についても長期間高止まりする可能性がかなりあるといわざるを得ません。そうなれば株式市場についても大きな影響が出てくることは間違いないでしょう。しかし、最近の株式市場を見ていると、やや楽観的過ぎる気がします。あまりにも株価が高すぎやしないかという感じです。一時的に下落することはありますが、すぐにそれは元に戻ります。当初予想されていたよりも株価はあまり下落していないのではないかと感じています。これだけ金利が高止まりし、先行きも不透明で企業業績も悪化している中、なぜここまで株価が高いのかというのはちょっと意外な気がします。この株価が間違っていないのであればいいのですが、もし、なにかのきっかけで大暴落ということになれば大事件が起きる可能性も十分にあるでしょう。個人的にはその可能性がかなりあるのではないかと心配しています。これがいつものように非常に薄い根拠のもとに株価が上がっているのであれば今後大暴落が起きることもあり得るでしょう。そしてそのリスクについてみてみないふりをしている人が多いような気がします。

まとめ

今日は今後の金融政策について考えてきました。9月の利上げ幅についてはやはり75bpになる可能性が高いといっていいと思います。そこまでは市場もある程度織り込んでいると思うので問題ないとは思いますが、やはり株価は高すぎる感じはします。私の思い過ごしであればいいのですが、大暴落が起こってもおかしくはないという印象です。なぜここまで株価が高いのか個人的にはよく理解できません。さすがに高すぎるような気がします。何とか私の思い過ごしであってほしいと願うばかりです。