株式市場は上昇余地があるのか?

先行きに対する不透明感は一向に改善されません。市場には悲観論が溢れ、米国経済の回復はしばらく先になりそうな感じがします。しかし、そんな中でも強気な予想をする人はいます。どちらが正しいのかは神のみぞ知るというところですが、過去の上昇相場の始まりもあふれる悲観論の中から始まっています。そういう意味では強気な見方が出てくるのも不思議ではないのかもしれません。

株式市場に対する楽観論

バンク・オブ・アメリカでは今後の株式相場の見通しとして、比較的強気な見方をしているようです。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、サビタ・スブラマニアン氏は、米国株の弱気相場が正式に終止符を打ったとするだけでなく、株式相場は上昇継続の余地があると見ている。

  スブラマニアン氏は9日のリポートで、「弱気相場は正式に終わった」とし、強気相場の定義には「恣意(しい)的」な部分もあるが、1950年代までさかのぼると、S&P500種は直近安値から20%上昇という転換点を超えた後の12カ月間について、92%の確率で上昇を拡大してきたと指摘した。

  S&P500種は8日、テクノロジー株の上昇を受け、昨年10月の安値を20%上回る水準で終了。ただ、来週に米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え、上昇の動きが停滞する可能性があると警告しているアナリストもいる。9日は小幅高だった。

 スブラマニアン氏は、人工知能(AI)の熱狂以外の重要な要因が今年の強気相場を押し上げる可能性を指摘。ゼロ金利政策の終了やプラスの実質利回りの復活、企業のコスト削減に伴う利益率改善などを米国株の上昇を後押しする要因として挙げている。

  スブラマニアン氏の見解は、同じBofAのストラテジスト、マイケル・ハートネット氏とは異なる。ハートネット氏は9日の早い時間に、S&P500種の強気市場入りを「バブリー」と呼び、株式に対する弱気な見方を繰り返した。

  社内でストラテジストが異なる見解を持つことは珍しいことではないが、今年後半も勢いが持続するかどうかについて、ウォール街の著名人の間でも意見が対立していることを物語る。スブラマニアン氏は米国株とクオンツ戦略の責任者として主に米国株に焦点を当てており、ハートネット氏はグローバルで資産横断的な視点に立っている。

  投資家のポジションも弱気継続の兆しを示している。BofAがEPFRグローバルのデータを引用したところによると、7日までの1週間にテクノロジー株ファンドから12億ドル(約1670億円)が流出した。

引用:bloombergより

このようにバンク・オブ・アメリカでは今後の株式市場は上昇余地があると見ています。周りを見渡せば悲観論ばかり目立ち、市場も今の所強さを見せるような気配はありません。しかし、そんな中でもこのような強気な予想をする人もいるということはある意味心強いと言っていいのかもしれません。悲観論ばかり聞かされていると気が滅入ってしまいます。そういう意味ではありがたい意見のような気がします。

そう入っても強気な見方はしづらい

しかし、実際どうなるかと考えてみるとあまりそこまで強気になれないような気がします。企業倒産件数は非常に増加してきていますし、今後金利が高く据え置かれたり、引き上げられる可能性を考えると更にその数は増えていくことでしょう。そういう意味ではそこまで強気に思えないというのが正直なところです。しかし、何度も言いますが、上昇相場の始まりというのはこのように誰もが市場を悲観し、株式投資に後ろ向きになっている時に始まります。そして気づいたときには手遅れになっているということがよくある話です。そういう意味ではこのような考え方も忘れないほうがいいのでしょう。そして投資を継続することが大切なのだと思います。

まとめ

今日は株式市場に対する強気な発言について見てきました。正直言うとそこまで楽観的に離れないというのが本心です。しかし、長期的に見れば今よりも株価は上昇することは確実でしょうし、投資をやめるという選択肢はありえないと思います。そういう意味ではまあ、悪い意見ではないのかなという感じです。おそらく当たらないような気はしますが、そこまで大きく下落しない可能性も小さくはないのだろうと思います。