米国の住宅市場は意外と悪くはない

米国の住宅市場は正常化への道を順調に進んでいるのかもしれません。先日発表された5月の住宅着工件数は非常に高水準となっており、不動産市場が一時期の低迷から回復傾向にあることが改めて確認できた形となっています。経済の先行きが依然として不透明な中、不動産子女に明るい兆しが出てきたということは良いことと言っていいでしょう。

住宅市場は意外と良好

昨日発表された5月の住宅着工件数は非常に大きな増加となり、住宅市場に力強さがもどっていることが確認されました。

米住宅着工件数は5月に2016年以来の大幅増となった。建設許可件数も増えて、住宅建設が経済成長押し上げに寄与する軌道にあることが示唆された。

  一戸建て住宅の着工件数は18.5%増加し、11カ月ぶり高水準。アパートなど集合住宅の着工は27%余り増えた。

  今回の数字は、住宅市場が安定化の兆しを示しているとするパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の先週の発言を裏付けるものだ。需要の底堅さや資材コストの低下、サプライチェーンの圧力緩和を背景に、住宅建設業者は楽観を強めている。

  住宅着工データは4-6月(第2四半期)国内総生産(GDP)への住宅建設の影響に関するエコノミスト予想に反映される。

  ただし、高い住宅ローン金利は値ごろ感を損なっており、住宅需要のモメンタムは限られていることが示唆される。

  完工件数は年率152万戸に増加。建築中の一戸建て住宅は69万5000戸でほぼ変わらず。

引用:bloombergより

引用:bloombergより

このように米国の住宅市場は一時期の低迷期から回復してきたように思います。先日も不動産関連の指標が良好だったこともあり、その傾向は更に続いていくのではないかというところです。一時期の物価高の影響もだいぶ落ち着きを取り戻してきており、建設現場もかなり活況となっているようです。ただ、金利が高くとどまっていることは確かであり、今後も落ち着いてくる気配はありません。相当程度高く据え置かれることが考えられています。そういう意味ではそこまで需要は旺盛になるということはないのかなという感じがします。

楽観的に離れないが、悲観的になるほどでもないのかもしれない

先行きに対してあまり良い話を聞かない米国経済ですが、不動産市場に関して言えばかなり良い感じになってきているような気がします。もちろん、実体経済が悪化してくれば不動産市場にも影響は出てくるでしょうし、今後もこの傾向が続くという保証はどこにもありません。なのであまり楽観的にはなれませんが、喜ばしいニュースであることには間違いないでしょう。あとは実体経済が今後どうなるかということと、金融政策がどのような経路をたどるのかというのが非常に気になるところです。もしかしたら思っているほど経済は悪くないのかもしれませんし、金融政策も考えられていたほど経済にダメージを与えることなくインフレを抑制できるかもしれません。正直楽観的すぎる気はしますが、これまでも言われているほど米国経済は悪くはなっていないのでそこまで悲観することはないのかなという感じはしています。

まとめ

今日は米国の住宅関連指標について見てきました。住宅関連は思っているほど悪くはないのかもしれません。しかし、先行きに対する不透明感が払拭されたわけではないのであまり楽観的になりすぎるのは良くないでしょう。ただ、想定よりも米国経済が悪化しない可能性もあるとは思うのでそのあたりのバランスは考えていかないといけないのだろうなと感じます。