来年度も企業業績の改善はなかなか厳しそう。

今後の米国経済については非常に悲観的な予想が多くありますが、株式市場についてもそれは同様なようです。来年度の株式市場の見通しについてモルガンスタンレーとゴールドマンサックスの大手2社の予想としてあまり芳しくないものが出てきています。成長率も非常に低いものとみられているところですし、何よりも企業業績が想定以上に悪くなるのではないかという懸念が出ているためです。最近の決算では多くの企業が業績の下方修正をしています。それが変わってきているのであればいいのですが、そうはなっていないようです。そういう意味で来年も株式市場は非常に厳しい状況であることは変わりないでしょう。そういうわけで今日は来年度の株式市場について考えていきます。

来年は企業業績が悪化することが予想される

先日、モルガンスタンレーとゴールドマンサックスの2社の来年度の株式市場見通しについてのニュースが出ていました。それによると来年度もあまりよいものにはなりそうもないということです。

今週の米消費者物価指数(CPI)と米連邦公開市場委員会(FOMC)決定が大半の投資家にとって2大関心事だが、ウォール街の著名ストラテジストの一部は企業利益見通しの引き下げが株式にとって最大の懸念材料だとみている。

  モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏とゴールドマン・サックス・グループのデービッド・コスティン氏はリポートで、2023年には利益率が圧迫されるため利益が予想以上に減少する可能性があるとし、株式にとって厳しい環境になるとの見通しを示した。

  ウィルソン氏は「今回の弱気相場の最終章は利益見通しに左右されるが、現在の見通しはあまりにも高過ぎる」と指摘した。CPIとFOMC決定は「昨日のニュース」だともコメントした。

  ウィルソン、コスティン両氏はいずれも、23年の滑り出しが株式にとって厳しいとみている。FOMCは14日に0.5ポイントの利上げをするとともに23年序盤も利上げを続けると示唆する見込み。

  その先についてウィルソン氏は、23年は「コストが高止まりする一方で企業の受取価格は低下する」ため、利益面で困難な環境になると予想。コスティン氏も同様の見解で、利益率が予想以上に下押しされるとの見方を示した。同氏のチームは来年の企業利益拡大もS&P500種株価指数上昇も見込んでいない。

  ゴールドマンは来年末のS&P500種を4000、ウィルソン氏は3900と、現在とほぼ同水準を予想している。

  ブルームバーグの機関投資家調査では来年の株式相場について2桁台前半の上昇との予想が示されたが、この見通しに全員が納得しているわけではない。

  コスティン氏は「多くの投資家の株式市場見通しはわれわれ以上に弱気だ」と記述し、自身は来年のソフトランディング(軟着陸)を想定しているものの、米経済がリセッション(景気後退)入りすれば株式のリターンは予想以上に悪化するだろうとして、S&P500種が現水準より20%安の3150まで下落し得るとの見方を示した。基本シナリオとしては来年上期に3600まで下落し、年末までに4000に回復するとみている。

引用:Bloombergより

このように来年度の株式市場についてはかなり悲観的な見方をしているようで、そのような投資家も多いとされています。特に企業業績に悪化が懸念されているようで、これまでもかなり業績の下方修正は相次いでいましたが、それで収まるというわけではないとみているのでしょう。確かに最近はインフレによる物価高や労働者不足による労働者確保のために資金増など企業経営の環境は悪化の一途です。そういう意味ではその懸念というのはもっともなことだと思います。であれば金融政策や財政政策等での後押しを期待したいところですが、政府は支持率低下に苦しんでおり、またFRBも景気よりもインフレ抑制に重きを置いていることは確実なため、なかなか厳しい状況は続いていくとみた方がよさそうです。

こういう時だからこそ投資は続けるべき

正直来年については私もあまりよい年にはならないのかなという印象です。もちろん予想は予想なので外れることもあるとは思いますが、現状がそんなに簡単に改善するとはとても思えません。なので予想外に悪化することはあっても改善することはないような気はしています。そういう意味でも辛い一年になるのかなという感じです。ただ、当然ながらいつまでも株価が下落をするということはありません。必ずいつかは上昇をすることでしょう。もし、来年は株価が上昇をしない都市であったのであれば、それは株価を買う絶好のチャンスでもあるのでむしろ積極的に買っていきたいところです。個人的にはそう思っています。

まとめ

今日は来年の株式市場について考えてきました。来年も相当悪い状況というのは続いていくことでしょう。そういう意味では投資に消極的になる人も多く出て来るかもしれませんが、そういう時こそ株の買い時だということは覚えておいた方がいいでしょう。そういう時に投資をし続けた人こそが大きな成功を収めることができるのです。なのであまり悲観的にならずに前向きに投資を続けていくべきです。