米国株は来年も上昇する、と思う。

最近の経済状況は非常に不安定感が増してきています。米国をはじめ世界中で高いインフレが進行しているため各国中央銀行は引き締めに動きだしましたが、新型コロナウィルスパンデミックの影響もまだまだ続いているため、緩和の動きを止めるわけにもいきません。非常に難しいかじ取りを要求されるようになっています。他にも米中間の争いや、ロシアのウクライナへの圧力など懸念要素を挙げればきりがありません。株式市場に対する見方も悲観論から楽観論までさまざまあり、どのように対応したらいいのか迷っている人も多いのではないかと思います。私個人の意見としては個人投資家は長期投資に徹底し、通常通り株式に対してコツコツと投資していけばいいと思っています。このような状況が永遠に続くわけはありませんし、困難な状況下でも株式市場が下落するとは限りません。実際、新型コロナウィルスパンデミック下においては米国市場は二年連続で上昇しています。それでもまだ迷っているという人に対してモルガンスタンレーの予想についてお話ししようと思います。

来年もプラス予想

モルガン・スタンレー・インベストメント・マネジメントのアンドルー・スリモン氏はBloombergのインタビューに対して以下のようなコメントを寄せています。

(昨年の)底値以降、FRBが超緩和的であることから、私はかなり楽観してきた。中央銀行がその緩和的スタンスを止めようとしている。これが意味するのは、株式リターンがまだプラスだが低くなるということ。

引用:The Financial Pointer® 米国株投資で今やってはいけないこと:モルガン・スタンレー より

スリモン氏はBloombergのインタビューに対してこのように述べ、来年はややパフォーマンスが低下する予想をしています。FRBが記録的な緩和の方針を転換し、金利も予想よりも早く上昇させようとしているのはもう周知のことです。それは当然株式市場にとってはマイナスであり、その影響はあるということでしょう。そのため多くの識者は来年のパフォーマンスが悪くなる予想をしていますが、スリモン氏は少々違うようです。

今やらないのは、ディフェンシブなリスクオフ銘柄を追うことだ。来年にかけリスクオフの巻き返しが続き、そして市場が再び盛り返す。

引用:The Financial Pointer® 米国株投資で今やってはいけないこと:モルガン・スタンレー より

スリモン氏は来年も株式市場は上昇すると予想していますが、今までのような上昇ではないとしています。これまではGAFAやIT関連株などいわゆるグロース株が非常に優位な上昇でした。そのためナスダック市場に上場している企業などのパフォーマンスが非常に良い年が続いてきたのです。しかし、来年はそのような相場ではなく、今まで注目されなかった企業に資金が集まるとしています。具体的には銀行、エネルギー、小型株などです。銀行はこれから金利の上昇が見込まれますから収益環境は大きく改善されることは容易の想像できます。エネルギーに関しても、原油価格などの上昇はこれからも続くとみられており、来年も期待できる銘柄の一つだと思います。もちろんすべての企業が上昇するということはないでしょうから、その中からきちんと利益を上げている株の選択をすることが重要であることは言うまでもありません。このように全般的には今までのような上昇は見込めませんが、セクターや企業をきちんと選別すればまだまだ投資の余地はあり、結果として市場全体も上昇するといっているのです。

個人的には大賛成

市場が下がると考え弱気になるのは時期尚早だ。企業の良好なファンダメンタルズは続くはずだ。

引用:The Financial Pointer® 米国株投資で今やってはいけないこと:モルガン・スタンレー より

以上のように、株式市場に対してはまだまだ悲観的になる必要はなく、企業業績の良好な企業を物色すればまだまだ問題ないといっています。個人的にもこの意見には賛成で、米国株に対して悲観的にはなっていません。金融緩和が縮小されるからといってもまだまだ企業や個人などには多くの資金がありますから、今後も株式市場にそれらのお金は流入してくるでしょう。しかし、FRBの政策もあり、その投資対象の選別に関してはより厳しいものになっていくと予想されます。その結果として、今まで注目されてこなかったディフェンシブ銘柄などに多くの資金が集まってくると思います。これまでは好業績を上げているにもかかわらず株価がさえないというものが多くありました。特に私のようなバリュー株投資をしている人はそのことを実感している人が多いのではないでしょうか。しかし、来年はこれらの銘柄にとって好機となる可能性がとても高いと思っています。銘柄選定の基準が厳しくなればなるほど安定感のある好業績企業に資金は集まってくるでしょう。なので今のうちにそのような割安株に資金を投入しておくことも十分にありだと思います。

まとめ

今日はモルガンスタンレーの予想をもとに来年の米国株式市場がどのようになるのかを考えてみました。今回の予想は比較的楽観的な方だと思いますが、個人的にはこの意見に賛成です。確かに大きな上昇はないかもしれませんが、巷であふれる悲観論ほどに株価が下落するということは考えにくいような気がします。一時的に下がることは十分に考えられますが、そうなれば私のような長期投資家からすれば絶好の買い場となります。そうなれば個人や企業にある豊富な資金が大量に市場に流れてくるはずです。なので大恐慌のような暴落の可能性は低いと思います。なにせ日本の個人金融資産が2000兆円のあるらしいですからね。投資資金には困らないでしょう。しかし、2000兆円というのは本当にすごいですよね。ちょっと前は1400兆円とか言っていたように記憶していますが。やはり、お金というのは眠らせずに働かせないとだめということですね。