米国経済はソフトランディングは可能なのか?

GDPの発表により米異国経済のリセッション入りが確認されましたが、今後の経済についてはどのようになるのかはわかりません。発表後も多くの要人や識者が相次いで発言をしており、大変興味深いものとなっています。そういうわけで今日は今後の米国経済についての専門家の見方についてみていきたいと思います。

今後も引き締めは続く

アトランタ連銀のボスティック総裁は、現在の米国経済について、リセッション入りにはまだなっていないという認識を示し、引き締め政策を続けるべきだという認識を示しました。

ボスティック総裁は29日、米公共ラジオ放送NPRとのインタビューで、現状に多くの人が苦しんでいることは明らかだとしながらも、「米国がリセッション下にあるとは考えていない」と述べた。その上で「われわれは高インフレに真剣に対応する必要があり、米国経済をより安定的かつ持続的な状態へ戻さなくてはならない」と続けた。「追加利上げが必要になると確信するが、具体的にどの程度、またどのような軌道になるかについては今後数週間、数カ月間の景気動向次第だ」と発言。「次回会合までの2カ月間で多くのデータを入手する。適切な行動を見極める上で良い判断材料となるだろう」と語った。ボスティック総裁は今年のFOMC会合で議決権を有していない。

引用:Bloombergより

このようにボスティック総裁は述べ、現在の米国経済はリセッション入りしておらず、インフレ抑制のために引き締めを継続するべきだという意見を述べました。GDPは2四半期連続の減少をしましたが、その定義についてはいろいろと議論があるということは事実です。そして依然として強い労働市場などを考慮すればまだまだ米国経済は強いと判断しているのでしょう。少なくとも景気後退についてはそこまで懸念しているとは思えません。

ソフトランディングは可能か?

FRBのウォラー理事は米国経済はソフトランディング可能だという見解を示し、FRBの政策を批判する識者を否定しました。

米連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事は、米労働市場にとってソフトランディング(軟着陸)は可能性の高いシナリオだとし、エコノミストのオリビエ・ブランシャール氏やサマーズ元米財務長官に反論した。サマーズ氏らは失業率にそれほど影響を及ぼさずに労働需要を抑えることは可能だとする米金融当局の主張について、論拠に「基づいていない」と指摘した。ウォラー、フィグラ両氏は「この先の労働市場にとって、ソフトランディングは可能性の高いシナリオだとわれわれはみている」とFRBのウェブサイトで公表されたリポートに記述。「職探しをしている人と比べて、求人件数がかなり多いため、一定期間における求人が採用につながる確率はもっとバランスが取れた労働市場と比べてかなり低くなる」とし、「求人率の低下による採用への影響は相対的に小さくなり、従って、失業率への影響はもっと平均的な労働市場よりも小さくなる」と続けた。

引用:Bloombergより

ウォラー理事はこのように述べ、米国の労働市場は依然として堅調であり、ソフトランディングは可能だとの結論付けています。実際のところどうなるのか問うのはよくわかりませんが、依然として労働市場がタイトであるということは事実です。少なくとも労働市場が機能しているのであれば米国経済も大きな交代ということはないのではないかとは思います。しかし、過去において大きな率業率の上昇を伴わずにインフレを抑制できた例がないということも事実です。そういう意味では何とも判断しづらいというのが本当のところでしょう。

正解なんてわかるはずがない

正直なところ私はそこまで米国経済については楽観視はしていません。もちろん極端な悲観論も持ってはいませんし、多くの識者が言うようなリセッションを回避することも可能だろうとは思っています。しかし、実際にはなかなか難しく、だらだらと成長もしなければ後退もしないような機関が続いていくのではないかと懸念しているところです。まあ、専門家と呼ばれるような人たちですら180度違う意見を言うのですから私のような人間には何が正しいのかなんてわかるはずもありません。

まとめ

今日は今後の米国経済の先行きについての見解についてまとめました。個人的には大きな上昇も下落もなく、しばらくはいったり来たりの展開が続くのであろうという印象です。少なくとも世界経済が終わるような大暴落というのはないと思いますし、これまでのような一本調子での上昇というのもないでしょう。しばらくは辛抱の時間が続くのかなという感じです。