米国株式は意外と早く回復するのか?

今後の株価の動きについてはどのようになるのかはわかりません。今のところ強気派、弱気派たくさんの意見が飛び交っていますが、実際のところどうなるかというのは神のみぞ知るというところでしょう。ただ、そうはいっても投資家としてはやはり明るい未来を想像してしまいますし、期待もしてしまいます。そんな淡い期待を抱かせるような記事があったので今日はそれについてみていきたいと思います。

3年に内に株価は最高値を更新する?

JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、デービッド・ケリー氏は今後3年以内に米国株は再び最高値に戻るだろうという見解を述べました。

JPモルガン・アセット・マネジメントのチーフグローバルストラテジスト、デービッド・ケリー氏は米景気の冷え込みが進んでいる兆しがある中で、株価は向こう3年以内に再び最高値圏に達するとの見方を示した。

  ケリー氏は11日にブルームバーグテレビジョンで、「株式の強気派になるには、3年以内にそこに達することだけ信じればいい」とし、「それはかなりあり得ると思う」と述べた。

  「インフレ率が2%に戻るにはしばらくかかるが、その方向に進んでいる限り、経済をリセッション(景気後退)に傾ける必要はない」とし、「インフレが徐々に落ち着いてくる局面では、景気の足取りは鈍くなるが利益率を維持でき、株式市場にとってかなり順調な先行きになると思う」と述べた。

  もっとも、7月の米生産者物価指数(PPI)が予想に反して約2年ぶりの前月比低下となったにもかかわらず、11日の株式相場はさえない展開だった。前日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)を受けた相場上昇が行き過ぎだったとの見方が一部で広がったためだ。ただケリー氏は、軟調なインフレ統計と景気鈍化の兆しが重なることで金利のピークが低くなり、株価上昇を後押しすると分析する。

  「株価は足元の水準から上昇する可能性があると考えており、現時点で私は全面的に株式に投資するだろう」と語った。

引用:Bloombergより

このようにケリー氏は述べ、米国株式の先行きについて楽観的な見解を述べました。確かに最近の物価の動きというのはこれまでに比べると非常に伸びが鈍化してきており、インフレが収まってきているように見えます。インフレが落ち着いてきたと確認されればFRBの金融政策にも当然影響は出てくるでしょう。そしてそれを予想して株式市場は利上げの停止、もしくは利下げを織り込み始め、株価は上昇を始めるというのだと思います。

株式市場は先読みをする

この観測というのはあり得ない話ではないでしょう。実際、物価の動きというのが落ち着いてきたと見えることは間違いありません。今後どのようになるのかということをもう少し慎重に見極めた方がいいとは思いますが、その兆候が出始めたということは事実です。であれば企業業績も一部悪化の気配が出てきているので、FRBが引き締め政策を変更すると市場が見る可能性も十分にあるでしょう。特に株式市場というのは先を読んで動く傾向があります。そういう意味では現時点ではまだインフレが高く、FRBの政策に変更がなかったとしても数か月先の景気減速やインフレの鈍化、それによるFRBの政策変更を読んで株価は動くという可能性も十分にあります。その結果株価が上昇し、最高値を更新するということもなくはないと思います。

まとめ

今日は今後の米国経済の先行きについて考えてみました。実際のところどうなるかというのはわかりません。しかし、インフレが鈍化してきたように見えるということは事実であり、そしてその結果FRBの政策変更の可能性を市場が予測するということも十分にあり得る話です。それが正しいかどうかということは何とも言えませんが、株式市場というのはそのように動きます。もちろん実態が伴わなければ一時的な反応で終わってしまいますが、いずれにせよ先読みをする株式市場の動きというのも考えておかなければいけません。そういう意味ではまだまだ米国経済が正常化するには時間がかかるような気はしますが、株式市場が正常化するのは意外と早いのかもしれません。