バークシャーハサウェイ社フォーム13Fを見て感じること

8月15日にウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャーハサウェイ社がSECにフォーム13Fを提出した。これによるとバークシャーハサウェイ社は現在非常に活発に投資をしており、株式市場にあふれる悲観論などものともしない勢いのようです。株は安いときに買って高いときに売るのが鉄則です。であれば今のように誰もが株式に対して悲観し、安くなっているときに積極的に動いていくというのは当然のことなのでしょう。当たり前といえば当たり前ですがなかなか難しいことです。投資家にとってバフェット氏の行動というのは非常に参考になります。なので今回は15日提出されたフォーム13Fについてみていきます。

バークシャーハサウェイ社がフォーム13Fを提出

15日に提出されたバークシャーハサウェイ社のフォーム13Fによると、現在積極的にバークシャーが投資を行っていることがわかります。

今回、新規ポジションの追加はなく、ベライゾン・コミュニケーション(VZ)とロイヤリティ・ファーマ(RPRX)の株式を手放したことが特徴だ。その他、ゼネラルモーターズ(GM)、ユー・エス・バンコープ(USB)、さらにはクローガー(KR)の持ち高を減らした。 

一方、アップル(AAPL)への投資については、新たに390万株を追加購入し、6月末時点で1220億ドル相当の株式を保有していることがわかった。アップル(AAPL)はバークシャー・ハサウェイ(BRK.B)の株式ポートフォリオの約40%を占めている。

また、この期間にオクシデンタル・ペトロリアム(OXY)を2200万株、シェブロン(CVX)を230万株購入し、エネルギー株への投資を加速させている。さらに、自動車・住宅金融サービスなどを手掛けるアライ・フィナンシャル(ALLY)の保有株式を3倍に増やした。

引用:マネックス証券より

その中でも注目なのはやはりエネルギー関連株に積極的に投資していることなのではないかと思います。エネルギー関連は環境保護が叫ばれるようになってからはかなり風当たりの強い業界となりました。そのため投資に対して消極的になっている投資家も多いのではないかと思います。しかし、バフェット氏に全くそのような様子はありません。最近ニュースによく出てくるようになったオクシデンタル・ペトロリアムをはじめ、多くのエネルギー関連企業への投資を積極的に行っています。

化石燃料がなくなることはしばらくないのだろう

世界的な投資家からすればどんなに再生可能エネルギーの重要性が叫ばれようとも従来の化石燃料をはじめとするエネルギーというものがなくなるということはないとみているのでしょう。もちろん理想を掲げることは悪いことではないですが、それと同じくらい現実をしっかり見つめなければならないということでもあるのです。非現実的な理想ばかりを追いかけ続けた結果が今のようなエネルギー高騰に対してなすすべがない世界を作り出してしまったのでしょう。バフェット氏はそれをきちんと見抜いていたということです。おそらく再生可能エネルギーの重要性というのは今後も大きくなってはいくと思いますが、だからといって石油をはじめとする化石燃料がすぐに使われなくなるということはないのでしょう。そこまで人類は力を持っていないということなのでしょうし、少なくともバフェット氏はそう考えてはいないのだろうと思います。

バフェット氏のやり方をマネしてはいけない

そして毎回思うことですが、バークシャーのポートフォリオというのはとても素晴らしいものとは思えません。今回の報告書でも明らかになりましたが、ポートフォリオに占めるアップルの割合が異常に大きいです。これまでも相当な割合でしたが今回の報告書でもさらに買い増していることが判明しました。そのためバークシャーのポートフォリオの約40%もの割合を占めています。さらにアップル、バンク・オブ・アメリカ、コカ・コーラ、シェブロン、アメリカン・エキスプレスで、この5銘柄でバークシャーのポートフォリオの約7割を占めているのです。とても理想的なポートフォリオとは思えません。投資の学校でテストでこのように答えたら確実に0点でしょう。しかし、投資の神様にとってはこれがベストであり、しかもきちんと結果を残しているのだから本当にすごいです。とてもマネできるものではないし、マネしてはいけないのだろうと思います。

まとめ

今日はバークシャーハサウェイ社のフォーム13Fについてみてきました。非常に不安定な状況の中、投資家としては先行きに対して不安を覚えてしまうところですが、バフェット氏の積極的な姿勢というのは非常に安心感を与えてくれます。やはりこのような時こそ積極的に投資を行っていくべきなのでしょう。そして化石燃料をはじめとする旧来型のエネルギーについてもまだまだなくなることはないということです。特にロシアのようなエネルギー大国を頼ることができなくなった現在、エネルギー安全保障の重要性は高まってきています。そういう意味でもエネルギー関連株というのは有望な投資先として残り続けるのでしょう。そのようなバフェット氏の投資姿勢は見習う必要はあるとは思いますが、ポートフォリオについてはあまり参考にしない方がいいと思います。とても素人にまねできるものとは思えません。大やけどを負う可能性大です。