米国の大幅利上げは9月で終了するのか?

高いインフレが依然と続いている中、米国の利上げがいつまで続くのかということは株式市場にとって非常に重要な関心ごとではないかと思います。そんな中、FRBによる大幅な利上げは9月が最後だろうというレポートが発表されました。本当にそうであればうれしい限りですが、実際どうなるのかは何とも言えないところです。そういうわけで今日は今後の利上げについて考えていきます。

JPモルガンはおおはばりは9月で終わるとみている

先日JPモルガンが発表したレポートによると、FRBによる大幅な利上げは9月が最後になるのだろうというものでした。

米連邦準備制度による今回の引き締め局面で、大幅利上げは9月が最後になる可能性が高く、今年後半に米国株の上昇が続く舞台が整うと米銀JPモルガン・チェースはみている。

  同行のミスラブ・マテイカ氏らストラテジストは22日のリポートで、「9月に連邦準備制度がまた大幅利上げを行うと予想しているが、再びタカ派姿勢で市場を驚かせることはないと見込んでいる」と説明。経済成長と金融政策の間のトレードオフが今後改善され、「市場全体が回復を続けるのに寄与する」と指摘した。

引用:Bloombergより

JPモルガンのストラテジストであるミスラブ・マテイカ氏らはこのように述べ、9月を最後に大幅な利上げというのは起こらないだろうという見解を述べました。実際にどうなるかというのはその時になってみないとわかりませんが、これまでのようなハイペースでの利上げがいつまでも続かないということは当たり前といえば当たり前だろうと思います。まさか米国の金利が二けたになるなんてことはないでしょうし、最近の経済指標にも弱いものが多くなってきたことを考えると、いつまでもこのペースで利上げが続くということはないように思います。もちろんこれに対して否定的な意見も数多くあり、まだまだ何とも言えないところですが、少なくともこのような意見も出てきたということは重要なサインではないかと思います。以前のように急激な物価上昇が続いている中ではさすがにこのような意見は出せなかったでしょう。そういう意味ではようやく天井が見えてきたのかなという印象です。

すぐに正常化するわけではない

ただ、利上げのペースが緩むからといってすぐにインフレが終息するというわけでは当然ながらありません。その後も25bpでの利上げは行われていくのでしょうし、インフレだって目標とする2%へと収束するのはかなり先のような気はします。少なくとも近い将来に経済が正常化するということはないように思います。そういう意味ではまだまだ先は長いと思っておいた方がよさそうです。

株式市場はやや楽観論が過ぎるのではないか

おそらくは急激な利上げが終了したとしても、物価の高止まりというのはしばらく続いていくのでしょう。この異常なまでのインフレというのはある程度の経済減速を伴わない限り、収束するのは厳しいのではないかと最近は感じています。いろいろな指揮者の意見を聞く限り、FRBが言っているような軟着陸はかなり可能性が低いのだろうという感じです。そういう意味では今の株式市場はやや楽観論が強いような気がします。最近はなんでか知らないですが以前ほど株価が下落せずにむしろ上昇することも多くなったような気がします。短期的な動きにあまり気を取られても仕方がないといえばそうかもしれませんが、それにしてもやや楽観的ではないでしょうか。金利や経済の先行きを考えてみてもとてもそんなに楽観的にはなれません。そういう意味では今後株式市場は急激に落ち込む可能性もどんどん高くなっているのではないかと心配しています。

まとめ

今日は今後の金融政策とともに今後の株式市場について考えてきました。9月で急激な利上げが終了するという可能性については正直何とも言えませんが、あり得ない話ではないでしょう。最近の経済指標を見るとさすがの米国経済もそろそろ息切れをするような感じはします。ただ、だからといってこれで問題がすべて解決するということは当然なく、まだまだ長い戦いの序盤戦といったところです。そういう意味でも少し株式市場の楽観論というのが心配ではあります。いずれにせよ、先のことはだれにもわかりません。何度も言いますがあまりタイミングを計るようなことはせずにルールに従って淡々と投資を続けていくことがおそらくは一番簡単で確実な方法であろうと考えています。