1%の自社株買いに対する課税は株式市場にとってはマイナスであることは間違いない

米国では新たな歳出・歳入法案が可決し、大きな話題となっています。そのなかでも自社株買いに対する課税というのは個人投資家にとって非常に気になるところです。自社株買いは投資家にとっても企業にとっても非常にメリットが大きく、株価上昇にも寄与するとても重要なものです。それに対して課税されるということは株式市場にとっては少なくともプラスということはないでしょう。そういう意味でも今後の動きが非常に注目されるところです。そういうわけで今日は先日発表された自社株買いに対する課税についてみていきます。

新たな自社株買いに対する課税法案が可決する

米国では先日、新たな歳入・歳出法案が可決し、自社株買いに対する新たな課税が来年から始まることになりました。

米国の新たな歳出・歳入法が16日に成立し、2023年1月から自社株買いを実施した米企業への課税が始まる。バイデン政権は10年間で700億ドル(約9.3兆円)規模と見込む税収を気候変動対策などの原資にしつつ、企業に余剰資金を賃上げや設備投資などに回すよう促す。1%の適用税率が企業行動にどれだけ影響を及ぼすかは見通せず、将来的な税率引き上げ論もくすぶる。

引用:日本経済新聞社より

このように自社株買いに対する新たな課税法案が成立しました。組織再編の一環による自社株買いなど一部例外も存在しますが、これからは自社株買いをした企業には1%の課税がされることとなります。これは株式市場にとっては悪いニュースであり、今後の経済成長に向けて足かせになる可能性もあります。

最近は自社株買いが活発に行われてきた

最近はIT企業を中心に自社株買いが活発に行われてきました。株主還元の一環としてIT企業や金融関連の会社がここ数年で多くの自社株を買い戻しています。そのため自社株買いに対する課税という話が持ち上がったのかもしれません。

将来に対する不安は残る

いずれにせよ投資家としてはこの課税の影響が株価にどの程度影響するのかというのが気になるところです。今のところ1%程度の課税では企業の自社株買いに対する意欲はそれほどそがれないだろうという意見もあり、実際どうなってしまうのかは来年になってみないとわからないところです。企業の自社株買いに対する意欲もあまりそぐこともなく、徴収した税でさらに経済を成長させるようにできればいいのですが、そのバランスを間違うと大変なことになります。その点については非常に心配なところです。また、仮に今回の課税がうまくいったとすれば、今後は税率の上乗せという話も出てくるでしょう。米国も国家財政に余裕があるというわけではありません。取れるのであれば可能な限り税金は取りたいと思っているはずです。そういう意味では今回の事態が将来に向けた大増税の始まりということにならないことを祈るばかりです。

まとめ

今日は米国で決まった自社株買いに対する課税についてみてきました。投資家としては正直歓迎しづらいところですが、賛否両論あり何とも言えないといった感じです。少なくとも米国は日本のようにいつまでも低成長ということはないので1%程度の課税であればそれほど大きな問題にはならないのかなとも思います。ただ、そのバランスはうまくとってほしいと思います。そしてしっかり成長してもらえるのであれば投資家としては何にも問題はないというところでしょうか。