9月の消費者信頼感指数は非常に低水準なものとなる。

ソフトランディングへの期待は高まっていますが、消費者の間ではそこまで期待は高くないのかもしれません。昨日発表された9月の消費者信頼感指数は非常に低水準なものとなり、消費者が悲観的な見通しを持っていることが確認されました。FRBも依然として厳しい金融政策を続ける見込みであり、景気を後押しするような政策というのはあまり期待できない状態です。その中で消費者があまりにも悲観的になっているということは今後の景気に対してかなり悪い影響を与える可能性があります。

消費者心理は低迷

昨日発表された9月の消費者信頼感指数は、4ヶ月ぶりの低調なものとなり、消費者が先行きに対して悲観的になっていることが確認された形です。

米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した9月の米消費者信頼感指数は低下し、4カ月ぶり低水準となった。経済と労働市場の見通しが悪化した。

  現況指数は147.1に若干上昇。一方、今後6カ月の見通しを反映する期待指数は73.7に下げ、5月以来の低水準となった。過去の例から、期待指数が80を下回ると1年以内のリセッション(景気後退)入りを示唆するとの見方がある。

  コンファレンス・ボードのチーフエコノミスト、デイナ・ピーターソン氏は発表文で「記入された回答を見ると、消費者は引き続き全般的な物価高に頭を悩ませているようだ。特に食品とガソリンの価格高を気にしている」と指摘。「このほかに消費者は、政治情勢と金利上昇についても懸念を示した」と付け加えた。

  現在のところ、米国の消費者は労働市場に対する楽観をやや強めている。全体の41%近くが雇用は「十分にある」と回答した。ただ今後6カ月については、雇用が減るとの回答比率が上昇した。

  現況で「雇用が十分」との回答と「職を得るのは困難」との回答の差は27.3に拡大。エコノミストは労働市場の強さを判断する指標として、この差に注目している。

  1年後のインフレ期待の指数は前月からほとんど変わらなかった。

  リセッションについては、起きる可能性が「幾分かある」ないし「非常に高い」との回答比率が上昇。向こう6カ月に自動車や住宅、大型家電を購入する計画は後退した。

引用:bloombergより

このように米国の消費者は将来に対して非常に悲観的になってきています。消費者が悲観的になれば当然ながら国内消費というのは停滞してくることでしょう。そうなれば経済成長に与える影響というのはとても大きくなります。そういう意味もあってかリセッションの確率というのもこのまま行けば小さくはないのかもしれません。もちろん、この数値だけを見て同行ということはありませんが、消費者心理の低迷というのは経済にとっていいことではないということは間違いないところだと思います。

悲観することもないが楽観的になれるものでもない

やはり今後の景気についてはそこまで楽観的に見ることはできないというのが正直なところです。厳しい金融政策やインフレ下においてもなかなか景気が失速しないため、意外と米国経済は力強いのではないかという声も聞かれますが、そううまくは行かないのではないかという気もします。やはり今後の景気後退の可能性についても十分に頭に入れておく必要はあるのでしょう。実際、マーケットはこの発表を受けて下落をしています。そういう意味でも今後のついてはやや不安が残る結果となったのかなと感じます。

まとめ

今日は9月の消費者信頼感指数について見てきました。米国経済は見た目ほど悪くはないかもしれませんが、そこまで楽観的になれるほど強くもないのかなというのが正直なところです。あまり悲観的になる必要もないとは思いますが、このようにリスクも十分にあることは覚えておいたほうがいいでしょう。