8月の耐久財受注は底堅い動き。企業は投資を控えてはいない模様。

米国経済は先行きに懸念は残るものの、力強さは失っていないようです。昨日発表された8月の耐久財統計では企業の設備投資欲は衰えておらず、投資に積極的であることが確認できました。先行きに対しては非常に不透明要素が多く、なんとも言えない状態ではありますが、現状では企業はまだまだ事業を縮小させるということはなさそうです。

企業の投資は衰えない

昨日発表された8月の耐久財統計では企業がコストが増す中にあっても投資を控えてはいないことが確認できました。

8月の米耐久財受注統計では、コア資本財の受注が持ち直した。借り入れコストが高止まりする中でも、企業の設備投資が底堅さを保っていることを示している。

  コンピューター、電子機器、機械などが受注増をけん引。軍用機が約19%伸び、全体を押し上げた。

  今回の統計からは、借り入れコストの高止まりや不透明な景気見通しにもかかわらず、企業が依然として長期的な改善に注力していることがうかがわれる。投資ペースは減速しているものの、企業はインフレ鈍化とサプライチェーンの正常化を好機ととらえているようだ。

  国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア資本財の出荷は0.7%増と、今年最大の伸びを記録した。市場予想は横ばい。7-9月(第3四半期)のGDP速報値は10月下旬に発表される予定だが、政府機関が閉鎖されれば遅れる可能性がある。

  ウォール街および米金融当局のエコノミストは、目先の経済成長については楽観的な見方を強めている。ブルームバーグの調査によると、7-9月の米GDP見通しは3%増と、先月時点から大幅に切り上がった。背景には、民間投資が力強いことがある。

  変動が大きい民間航空機の受注は7月の大幅減に続き、約16%減少した。8月の米ボーイングの受注は45機と、4月以来の少なさだった。航空機受注統計は必ずしもボーイングの月間報告と相関しない。

  製造業はここ2年の大半において低迷が続いてきたが、落ち込みのペースは緩やかになりつつある。しかし3大自動車メーカー(ビッグスリー)に対する労組のストライキは、2週目に入った。サプライチェーンと物価にようやく安定の兆しが出てきたタイミングで、自動車ストが製造業の足を引っ張る恐れがある。

引用:bloombergより

このように米国ではインフレがいまだ落ち着かない状態であっても投資意欲は衰えていないことが確認されています。もちろん以前のような積極的な投資ということはないですが、長期的視野を持って着実に投資をしている企業が多いのではないかという印象を受ける結果のような気がします。今回のことを持って米国経済の未来が明るいとまでは言えないような気がしますが、現状ではまだまだ力は残していると言っていいのだろうと思います。

楽観はできない

今回の結果についてはまずまず良かったのかなという感じがします。先行きに対しては非常に不透明感が出てきているのは事実です。インフレは依然として高く、収束までの時間は更に長くなりそうな予測も出ています。しかし、そのような状況にあっても企業は成長のための投資をやめておらず、そのことは経済にとって確実にプラスとなるでしょう。そういう意味ではそこまで悪くないのかなという感じです。ただ、インフレの収束とソフトランディングはそう簡単には行きません。景気後退のリスクもそこまで小さくはないのかなという印象を最近はしています。なので常に緊張感を持って投資を行っていきたいものです。

まとめ

今日は8月の耐久財統計について見てきました。米国経済はそこまで悪くはないという感じであり、今のところ問題なく進んできているのかなという感じです。ただ、インフレ収束まではまだまだ先の長い話です。それまでこの状態が維持できるのか、そしてソフトランディングが可能なのかはなんとも言えないというのが現実だと思います。あまり楽観的にならず、悲観的にもならないようにしっかり現実を見ていきたいと思います。