第2四半期のGDP確定値では個人消費が大きく落ち込む

米国経済の成長は堅調に推移しているように見えます。昨日発表された4-6月期のGDP確定値は個人消費が大きく落ち込んだものの、設備投資等は順調に伸びており、そこまで悲観するような内容ではないのかなという印象です。市場でもやや楽観論が出てきているようで、今後の展開に期待を持つ参加者も多いのだろうと思います。

第2四半期のGDP確定値

昨日発表された第2四半期のGDP確定値は下記のとおりとなりました。

4-6月(第2四半期)の米実質国内総生産(GDP)確定値の統計では、個人消費の伸びが改定値のほぼ半分に下方修正された。サービスへの支出鈍化が主に反映された。

  GDP全体では、設備投資が7.4%増と改定値の6.1%増から上方修正され、個人消費の減速を補った。純輸出と在庫も上方修正され、成長への足かせではもはやなくなっている。

  個人消費は4-6月に減速したが、7-9月(第3四半期)はこれまでのところ強さの兆しも示されており、米金融当局やウォール街のエコノミストらは短期的な成長への楽観を強めている。

  別の主要指標である国内総所得(GDI)は4-6月に0.7%増。1-3月(第1四半期)は大幅上方修正された。GDIとGDPの平均値は1-3月、4-6月期いずれも1.4%増加した。

  米金融当局が重視するインフレ指標である食品とエネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は4-6月に前期比3.7%上昇で、改定値から変わらず。これは2021年1-3月期以来の小幅な伸び。

  同当局が今年スポットライトを当てるようになった住宅を除くコアサービス価格の指標は4-6月に年率3.5%上昇。今年1-3月から急減速し、20年末以来の低い伸びにとどまった。

引用:bloombergより

このように第2四半期は個人消費が大きく落ち込んだものの設備投資など他の分野が伸びており、個人消費のマイナス分を補う形となっています。そのため、米国の経済はそこまで悪くはないという楽観論が多く出てきているようで、市場ではソフトランディングへの期待が更に高まっていると言っていいのかもしれません。

個人消費の落ち込みは非常に気になるところ

今回のGDPは一定の安心材料にはなるのかなという感じはします。企業活動は活発であり、成長を支えるエンジンとして機能しているのは良い兆候です。しかし、やはり個人消費が大きく落ち込んでいるというのは気になるところです。米国のGDPの大部分を占める個人消費が落ち込むというのはやはり見過ごせないところでしょう。今後はやや明るい兆しがあるようで楽観的な見方をしている人も多いようですが、まだまだなんとも言えないというのが正直なところです。実際、金利の高止まりなどを背景に経済活動はブレーキをかけられた状態であることには代わりありません。特に不動産市場などの金利の大きく影響を与えるところは減速が顕著になってきています。そういう意味でも今後の強気な予想についても下方修正を余儀なくされる可能性も十分にあるでしょう。いずれにせよ、米国経済の復活には個人消費の回復は不可欠です。そこが落ち込んでいるようではまだまだ回復は先と見たほうがいいような気がします。

まとめ

今日は第2四半期のGDP確定値について見てきました。全体で見ればそこまで悲観するようなものではないとは思いますが、個人消費が低調であることはやはり気になるところではあります。米国の個人消費はGDPを支える非常に重要な要素であることは間違いありません。そこが不調である限り、大きな期待は持てないような気がします。