金融政策の引き締めは継続し、しばらく株価は停滞しそう。

今後の米国経済の先行きについてはどうなるのかわかりませんが、あまり楽観できないことは確かです。あまり悲観しすぎることはないとは思いますが、総合的に見て順調な経済成長を続けていけるというのはなかなか言えない状況といっていいでしょう。そういう意味でもしばらく辛抱の展開が続きそうです。

引き締め政策は継続

最近もFRB関係者から強気の発言が聞こえてきます。インフレは依然として高止まりしており、当然といえば当然です。先日のパウエル議長の発言もあり、さすがにサプライズということにはなりませんが、改めて景気よりもインフレ抑制にFRBが動いているのだと印象付けます。

米クリーブランド連銀のメスター総裁は、高インフレを沈静化するためには2023年の早い時期までに4%超に政策金利を引き上げ、その後しばらくその水準で据え置くことが必要になるとの考えを改めて示した。

  総裁はまた、金融当局が来年利下げに動くとは想定していないとも改めて発言。当局はインフレ期待が抑制できなくなる事態を回避する必要があると指摘した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード副議長は、金融当局は政策金利を景気抑制的な水準まで引き上げ、「当面」その水準で維持する必要があると指摘。その上で、将来的に政策引き締めを巡るリスクが二面的な側面を強めることになるとの見通しも示した。

  副議長は7日、ニューヨークでの会議で「インフレを押し下げるため、われわれは必要な限り対応を続ける」と言明。「インフレ率が目標に向けて低下しているとの確信をもたらすため、金融政策を当面、景気抑制的な水準にとどめる必要がある」と語った。

引用:Bloombergより

引用:Bloombergより

このようにメスター総裁とブレイナード総裁はインフレ抑制のためにFRBは引き締めの姿勢を続けるべきとの発言をしています。一時期は景気後退の経済指標を受けてその姿勢が緩むのではないかという憶測もありましたが、もうそんなことを言っている人というのは少数になったといっていいでしょう。おそらくはよほどのことがない限りFRBは引き締めの手を緩めるということはないのだろうという印象です。

原油価格は下落

このような金融政策や経済状況を受けて原油価格は下落を続けています。一時は100ドルと超えるところもあったと思いますが、現在は85ドルを割る水準まで下げています。

7日の原油先物相場は急落。ニューヨーク原油先物は1月以来の安値を付けた。ロシアからの供給が途絶えるリスクはあるものの、ドル急伸と世界的な需要懸念が相場に重しとなっている。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は、バレル当たり85ドルを下回った。また北海ブレント先物も同90ドルを割り込んだ。

引用:Bloombergより

米国での金融引き締めの継続による景気の後退や、中国の景気減速など需要の鈍化をにおわせるようなニュースが相次いでいます。ウクライナ情勢により供給の問題は依然として存在しますが、それよりも景気後退の方をマーケットは重視しているということでしょう。エネルギー価格の下落は消費者にとってはありがたいことですが、それだけ景気の先行きに不透明感があるということであり、素直に喜べないといったところです。

まとめ

今日は今後の金融政策や景気についてみてきました。やはり金融政策は引き締め方向で続いていくのでしょう。そして景気減速の兆候が見られてもそれが変わらないということで、マーケットもそれを織り込み始めています。やはり少なくとも来年あたりまでは株式市場は軟調な展開が続くのかなといった印象です。