NISAは恒久化されるのか?

投資を行う上で重要な事の一つにコストを抑えるということがあります。投資にかかるコストは取引手数料や所得税など様々ありますが、それらがいかに少ないものだとしても長期投資をしていくうえで大きな障害となってきます。どんなに小さなものでも最終的な結果に大きな影響を及ぼすものであり、極力低く抑える努力をしなければなりません。そして、その強力な武器としてNISAという制度があります。これは株式等の取引について一定条件を満たせば非課税となる制度です。株式投資で上げた利益というのは問答無用で20%もひかれていきます。それが0%になるのですから非常に大きなものです。そのため個人投資家の多くが利用しています。そのNISAですが、もしかしたら今後新たに拡充される可能性が出てきました。もしそうなれば個人投資家にとって非常にプラスとなるでしょう。見過ごすことはできません。そういうわけで今日は今後のNISAについて考えていきます。

NISAが恒久化?

8月23日に金融庁は2023年度税制改正要望を財務省に提出しました。その内容を簡単にまとめたものが以下の表になります。

引用:マネーの達人より

今回の要望で注目すべきところは年間投資枠の拡大、投資可能期間の恒久化、非課税期間の無期限化の3つです。いずれも個人投資家にとってメリットになるものであり、実現すれば資産形成の力強い後押しとなるでしょう。そういう意味でもぜひとも実現してほしいものです。

年間投資枠の拡大

現在、一年間で行える取引の枠は一般NISAが120万円、つみたてNISAが40万円までとなっている。これを拡大するということである。この枠が広がれば単純に非課税枠が広がるのだから大きなメリットです。特に今回つみたてNISAの枠を60万円へと増やそうとしているようですが、もし実現すると毎月5万円の積み立てが可能ということになります。この数字を見ておそらくはピンときた方も多いのではないでしょうか。今個人投資家に人気のクレカ積み立ての一月の投資可能枠の上限といっしょなのです。もし実現すればつみたてNISAの枠すべてをクレカ積み立てで利用することができ、非常に気持ちのいいことになります。現状一部を通常の取引口座枠で穴埋めしないといけないので非常に気持ち悪い取引履歴となっており、ぜひとも実現してほしいといったところです。

投資可能期間の恒久化

投資可能期間の恒久化も重要な問題です。NISAはいつ取引をしても同じというわけではありません。一応期間が決まっており、その期間内でしか利用できないことになっています。つまり、最初から利用していた人と、5年遅れて始めた人では使える非課税枠が違ってきてしまうのです。これは大きなデメリットであり、ぜひとも改善してほしいものです。特にこれから社会に出る若者にとっては重要な問題でしょう。少なくとも自分の人生に責任を持つようになった時に得られるメリットが少なくなっているというのはちょっとかわいそうです。何も悪いことをしていないのに非課税のメリットを享受できないというのはあまりにもひどい仕打ちといっていいのかなと思います。

非課税期間の無期限化

これも非常に重要な問題です。現在NISAは5年、積み立てNISAは20年という非課税期間が設定されています。なのでその期限が来たら通常の口座へと移管されることになります。当然ながらそこからは課税されてしまうので非課税のメリットはなくなってしまいます。長期投資では投資期間が長ければ長いほどメリットが出てきます。そういう意味では20年というのも特別長いというわけではありません。特に若者にとっては20年というのはまだまだ資産形成の途中であり、築き上げた資産を取り崩すような状況ではないでしょう。そのような時に課税されてしまえばせっかく築き上げた資産が台無しになってしまいます。そういう意味でも非課税期間の無期限化というのは重要だと思います。

まとめ

今日は金融庁から出されたNISAに対する要望についてみてきました。個人投資家にとってはメリットしかなく、ぜひとも実現してほしいものですが何とも言えないというところです。このような税収が減るような変更というのは財務省が絶対によくは思わないでしょう。そういう意味ではなかなか実現は難しいのかなとは思いますが、自民党からは今回の要望を後押しするような提言が出されていることもあり、いい流れはできつつあるのかなとは思います。そういう意味ではぜひとも実現してほしいと思いますし、ここでもしっかり声を上げていこうと思います。