米国市場はまだ底を打っていない?

米国市場の先行きについては楽観的なものと悲観的なものが多く出てきています。ただ、さすがに現状は悲観的なものが多いような気がします。特に今年から来年あたりまではこれまでのような堅調な相場を期待できないというような意見が数多くあります。実際どうなるのかというのはわかりませんが、今の世界経済を見ているとおそらくはその通りなのではないかと思ってしまいます。大変苦しい展開ですが、何とか踏ん張っていきたいものです。

株式市場はまだ底を打っていないのか

モルガン・スタンレーの米国株チーフストラテジスト兼最高投資責任者(CIO)のマイク・ウィルソン氏は今後の株式相場についてまだまだ悲観的に見ています。下落が続く米国株ですが、まだ底を打っているとは見ていないようです。

  ウィルソン氏は31日、ブルームバーグ・マーケッツ誌とのインタビューで、S&P500種株価指数について「たいてい最後に下げる」と述べ、「6月の安値を下回らざるを得ない」との見方を示した。

  S&P500種は今年前半に20%超下げた後、6月半ばに付けた安値の3666.77から一時は17%上昇した。米金融当局の積極的な金融引き締めがリセッション(景気後退)につながりかねないとの懸念が広がる中、8月中旬からは再び軟調に推移している。

  ウィルソン氏は、S&P500種の水準について「グロース・リセッション(完全な景気後退には至らないが成長率鈍化が続く状態)、もしくはソフトランディング(景気の軟着陸)の場合は3400」と予想した。

  これは30日終値から15%の下落を意味する。「正式なリセッション」に陥った場合は3000近くまで下がり得るとも述べた。底値を予測するのは困難だとした一方、S&P500種は「少なくとも次の1-2四半期は下落方向だ」と話した。

  その理由として同氏は、営業利益率の基調が想定よりも悪く、この先も悪化が続くとみられることを挙げた。

  「株価収益率(PER)は間違っている。それは米金融当局がタカ派になるからではなく、株式市場が業績見通しについて楽観的過ぎるからだ」とウィルソン氏。「業績が下方修正され、PERは下がり始めるだろう。その過程で、おそらく9-12月のどこかで相場は底入れする」と続けた。

  米金融当局は経済指標に注意を払う中でも、労働市場データとインフレという2つの遅行指標をとりわけ重視することから、政策は「常に出遅れる設計になっている」と同氏は指摘。労働市場が崩れる頃にはリセッションに陥っていることは明白だろうとし、「そのときには既に手遅れだ」と述べた。

引用:Bloombergより

ウィルソン氏はこのように述べ、米国株はまだ底を打っておらず、今後も明るい見通しは持っていないようです。企業収益についてはいいところもありますが、悪いところもあり、市場全体を押し上げるというほどにはなっていないという印象です。実際先行きについて悲観的に見ているところも多く、ウィルソン氏の言う通り今後は業績の下方修正ということも十分にあり得るでしょう。であれば株式市場も下落をすることは間違いないところだと思います。パウエル議長の発言のあと市場が急落したことからもわかるように、今の株式市場はやや楽観論に支配されている気はします。あまり悲観的になることもないとは思いますが、少々行き過ぎな感はあるのかなと感じています。そういう意味では今後業績の下方修正等があればさらに株式市場も下げることは十分に予想できるのではないでしょうか。そういう意味では少なくとも秋ごろの決算発表では株式市場はやや弱含みとみておいた方がいいのかもしれません。

こういう時こそしっかりと市場を監視しておく必要がある。

個人的にも短期的には弱いという予想には同意できるのかなと思います。先ほども言いましたが、やや市場は楽観論が強いのではないかという印象は最近は多く持つことがあるからです。おそらくは今後、その楽観論の中に合って業績の下方修正などが相次ぎ、株式市場は大きく下げるという展開になるのかなという予想をしています。そして今度は必要以上の悲観論があふれ出して株式市場は極限まで下げるのでしょう。そのあとは予想よりも悪くない企業業績がぽつぽつと出始め、疑心暗鬼にかられながら徐々に株式市場が上昇していくという展開になるのかなといった印象です。もう何度も過去に同じような経験をしていますので、今回もどうせ同じなのだろうとややひねくれた見方をしています。

まとめ

今日は今後の株式市場の展開について考えてみました。やはり短期的にはまだ下げる余地はあるとみていいのだろうと思います。そして非常から楽観論が消えうせ、悲観論ばかりが支配するようになったら底を打つということになるのでしょう。株式市場が底を打つというときはたいていそんな感じです。なので今後誰もが株式に対して悲観的になり、とても株を買うなんて無理だという空気が形成される時が来ると思います。その時こそ株の買い時だということはきちんと認識しておくべきでしょう。過去にも何度も同じようなことは起きており、そのたびに株式市場はその悲観論の中から上昇を始めているのです。もうすぐ株式を再安値で買うチャンスが来るはずです。その時が来るのをしっかりと準備して待っておくべきです。