7月のFOMCで100bpでの利上げはないでしょう、たぶん。

最近の株式市場は米国の金利がどのようになるのかということが一番の関心ごとになっているような気がします。先日も予想外に悪い消費者物価の結果によって今後の利上げペースが予想よりも早くなるのではないかという憶測から、株式市場は大きく値を下げる展開となりました。しかし、翌日にはFRB要人の発言や経済指標の発表により利上げペースはそこまで早くならないだろうという思惑から株価は上昇するのです。本当に最近の株式市場は落ち着きがないといった感じです。そういうわけで今日も今後の金融政策について考えてみます。

100bpでの利上げ期待が修正される

アトランタ連銀のボスティック総裁は15日の講演で7月のFOMCでの利上げについて100bpでの利上げを支持しないという発言をしました。

米アトランタ連銀のボスティック総裁は15日の講演で、秩序ある政策行動の重要性を強調し、今月の連邦公開市場委員会(FOMC)で1ポイントの利上げは支持しない考えを示唆した。ボスティック氏はフロリダ州タンパでのイベントで、「急激過ぎる行動は、他の事象の多くが順調に機能するのを妨げることになる」と発言。「われわれはこれを秩序あるものにしたい」とし、人々が景気に関して「正しい認識」を持つことを望んでいると話した。同氏は6月のFOMC会合で決定した75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)について、過去の経験に比べれば「非常に大きな行動」だったとも述べ、それよりもずっと大幅な「利上げを実施していれば」、「人々は懸念しただろう」と続けた。

引用:Bloombergより

ボスティック総裁はこのように述べ、今のところ100bpでの利上げを支持することはないと述べました。ここのところ非常に悪い消費者物価の結果により過度な悲観論におおわれていた株式市場ですが、今回の発言で少し落ち着きを取り戻したようです。実際株価指数も大幅に上昇し、やや行き過ぎた悲観論は修正されたように思います。個人的にも100bpでの利上げというのはさすがにないだろうと思っていたので今回のボスティック総裁の発言はまあ当然だろうという印象です。

行き過ぎた反応というのは株式市場にはよくあること

今回のように株式市場が過剰に反応するということはよくあることです。大抵株式市場は過剰な期待や悲観で大きく株価を動かします。そういう意味では今回のことも何も特別なものではないと思います。何度も言っていますが私は今のところ75bpでの利上げが7月のFOMCで行われるのではないかと思っています。なので今回の発言というのは非常にまっとうな意見だと思いました。ボスティック総裁以外の要人についても少なくとも100bpでの利上げを支持している人はいないように思います。その可能性を含ませている人はいますが、強く訴えている人はいません。そういう意味でもよほどのことがない限りは75bpでの利上げが7月に行われることはまず間違いないと思います。

まとめ

今日は米国の金利の先行きについて考えてみました。何度も言いますが、今言えることはすべて個人的な予想であり、何も将来を保証しているものではありません。なんで実際のところ、結果がどうなるのかはわかりません。なのでどのような結果になってもよいように準備をしておくというのが正しい答えでしょう。ヤマを張ったところで何もいいことはありません。一度や二度は当たるかもしれませんが、たった一度の失敗ですべてを失うようなことはしないようにしましょう。とりあえず我々個人投資家にとっては政策金利がどうなるか問うのは正直どうでもいいことです。タイミングなど考えずに淡々と株式を買い続けるのみです。