7月の小売売上高も非常に堅調。ソフトランディングへの期待はさらに高まる

米国経済は依然として堅調なようです。7月の小売売上高は市場予想を上回る上昇を示しており、個人消費が引き続き力強いということを確認する内容でした。インフレが落ち着きを見せ始めた中、景気後退不安を払拭するような消費の力強さというのはソフトランディングに向けて非常に心強いニュースと言っていいでしょう。

7月の小売売上高は堅調

昨日発表された7月の小売売上高は市場予想を上回るものとなり、個人消費が引き続き堅調であることが確認されました。

7月の米小売売上高は市場予想を上回る伸びを示した。個人消費に依然として余力があり、景気拡大を支えていることが示唆された。

  これで5、6月分と続けてデータが上方修正されたことになる。

  7月は13カテゴリーのうち9つで増加。スポーツ用品店や衣料品店、飲食店などで特に伸びが目立った。

  今回の統計は、力強い労働市場と賃金上昇が、多くの米消費者にさまざまな財やサービスへの支出余力を与えていることを示している。

  電子商取引を含む無店舗小売りは1.9%増と、今年に入ってから最大の伸び。アマゾン・ドット・コムが実施したプライムデーのイベントが押し上げた。7月に2日間にわたって行われたこのイベントのうち初日の売上高は、アマゾンによると1日の売り上げでは同社として過去最高だった。

  スティーフル・フィナンシャルのチーフエコノミスト、リンゼー・ピエグザ氏は「消費が堅調なためソフトランディングを達成できると、今回の統計は楽観を強めるだろう」とブルームバーグテレビジョンで指摘。一方で「このことは、米金融当局が政策金利をより高い水準に引き上げ、より長く維持することに一段と積極的になる必要が生じることを意味する」と述べた。

  ガソリンスタンドは、ガソリン価格上昇を一部反映して0.4%増。食品・飲料店は0.8%増で、今年に入って最大の伸びとなった。ただ、商品の値上がりも一部影響している。小売売上高で唯一のサービス分野である飲食店は1.4%増加した。

  国内総生産(GDP)の算出に使用される飲食店と自動車ディーラー、建材店、ガソリンスタンドを除いたコア売上高は、前月比1%増加した。これは今年1月以来の大きな増加率。

引用:bloombergより

このように米国の個人消費は引き続き堅調です。少し前までは米国経済の失速の懸念も強くありましたが、最近ではその不安というのはかなり後退した印象があります。今回の発表も景気後退懸念をさらに後退させるのに十分なものであり、ソフトランディング成功への期待感は更にましたと言っていいでしょう。

ソフトランディングへの期待が高まる

相変わらず米国経済は堅調であると言っていいでしょう。もちろん不安要素がないということはありませんが、当初考えられていたよりも随分まともだと言っていいと思います。インフレがこれだけ落ち着きを見せる中、消費があまり失速せず、むしろ力強さを見せているということはFRBにとっては非常に心強いことだと言っていいと思います。もちろん金利はしばらく高止まりすることが予想され、厳しい状況には代わりありませんが、明るい将来は確実に近づいていると言っていいのかもしれません。

まとめ

今日は7月の小売売上高について見てきました。米国の消費は依然として堅調です。ソフトランディングへの期待は一層高まっていると言っていいでしょう。今後も浮き沈みはあると思いますが、当初考えられていたような景気後退懸念はかなり後退したと言っていいと思います。そういう意味では非常に喜ばしいニュースであると言っていいでしょう。