ISM製造業総合景況指数は6ヶ月ぶりの高水準

米国の製造業は非常に安定した状態にあるようです。先日発表されたISM製造業総合景況指数は前月から上昇し、依然として縮小傾向にありますが、深刻な状態ではないと言っていい状況です。金利も非常に高く、これからも厳しい状況が続くことが予想されますが、製造業の現場では今の所安定感は保っているようです。

ISM製造業総合景況指数は6ヶ月ぶりの高水準

先日発表されたISM製造業総合景況指数は前月より上昇し、6ヶ月ぶりの高水準となりました。

米供給管理協会(ISM)が発表した8月の製造業総合景況指数は、なお縮小圏ながらも前月から上昇した。製造業活動の低迷はもはや深刻化していないとの期待を抱かせる兆候だ。

  生産指数が50と、3カ月ぶりの水準に上昇。雇用や入荷遅延の指標もそれぞれ改善した。

  製造業総合景況指数はこれで10カ月連続での活動縮小となったが、今回の数字は状況が弱い水準で安定化しつつあることを示唆している。企業による過剰在庫の削減が進み、財への個人消費が増えるのに伴い、安堵(あんど)感の兆しがいくらか見られ始められている。

  ISM製造業調査委員会のティモシー・フィオレ会長は発表文で、「8月の総合景況指数は受注の弱さが続く中で、企業が生産を適切に管理していることを反映しているが、月間ベースでの上昇は改善の兆しだ」と指摘した。

  製造業企業の在庫は縮小幅が拡大し、2014年初め以来の大幅な縮小に並んだ。顧客在庫も縮小。これは在庫削減での進展を示す最近のデータと整合する。

  顧客在庫は「妥当」だと報告した製造業企業の割合は67.6%に上昇し、20年2月以来の高水準になった。

引用:bloombergより

このように製造業は非常に活況を呈しているということはありませんが、厳しい金融政策の中にあっても着実に活動を続けていることがわかります。景気については強弱様々なものがあり、今後についてどのようになるか判断しかねるところではありますが、雇用や個人消費はそこまで大きく落ち込むこともなく、景気を下支えしている格好です。そういうこともあり、製造業の現場でも在庫がきちんと処分できたりそこまで暗い状況ではなさそうです。そういう意味ではまずまずと言っていいのかなという感じです。

引き締めが継続される理由にもなる

米国の製造業はかなり安定的な状態になったのかなという感じです。急成長ということはありませんが、ここ数ヶ月は安定的に持続しており、しばらくは問題なさそうだろうと感じています。急激な回復というのもあまり期待できませんが、急失速ということもなかなか考えられないのかなという感じです。そういう意味では経済は非常に安定していると言っていいでしょう。そういう意味ではFRBはまだ雇用や経済に気を取られることなくインフレ対策に本腰を入れ続けるのだろうという感じです。なので今後も引き締めは継続されることになり、年内の利上げもおそらくは実施されるのだろうと思っています。

まとめ

今日は米国の製造業について見てきました。大きな成長はありませんが、安定的な活動を続けてきており、インフレに苦しむ米国経済をしっかり支えているという感じです。なのでしばらく経済はそこまで大きく混乱するようなことはないのかなと感じます。ただ、FRBが引き締めを継続する理由にはなるでしょうし、今後もその傾向は変わらないでしょう。そういう意味ではその力加減がどうなるのかが気になるところではあります。