モルガンスタンレーによる今後の見通し

今後の米国経済については色々と見方はあると思いますが、モルガンスタンレーではあまり楽観的には見ていないようです。現在はやや楽観的な米国経済も今後は成長が鈍化していくと見ています。その結果として、金融政策もやや緩和方向へと進む可能性を示唆しています。

今後の見通し

モルガンスタンレーは今後の経済見通しについて以下のように見ています。

米国経済の7-9月(第3四半期)の急成長は一度限りにすぎず、生産減速やインフレ鈍化に伴い米金融政策当局は利上げを停止すると、モルガン・スタンレーの債券調査責任者ビシュワナス・ティルパチュー氏が予測した。

  ティルパチュー氏は投資家に対してデュレーションを重視するよう助言している。債券市場で言うところの償還期限の長い債券に投資することだ。

  同氏は12日、ブルームバーグテレビジョンのインタビューで、インフレ率が確実に目標の2%へ向かうよう米金融当局は「十分な」措置を講じてきたと述べ、「当局者はインフレの軌道に満足するだろう。これがデュレーションに対しわれわれが前向きな理由のひとつだ」と続けた。

  モルガン・スタンレーのチームは、現在約4.28%で推移している米10年債利回りは年末に3.65%まで低下すると予測している。

  市場が描く成長再加速のシナリオについてティルパチュー氏は「このシナリオ通りにいくとは考えてない。市場は景気減速を認識するだろう」と述べ、第4四半期にかけて「消費にも諦めが見られるだろう」と指摘した。

引用:bloombergより

引用:bloombergより

このように、モルガンスタンレーでは今後、米国経済は徐々に減速していくと見ています。そのため、金融政策も利上げを停止することになり、成長も鈍化していくとのことです。実際どのようになるかはわかりませんが、マーケットに蔓延している楽観論とは対象的な意見であり、興味深いものと言っていいでしょう。

悲観的なシナリオも十分に有りある

モルガンスタンレーは悲観論者で有名なウィルソン氏をはじめ、やや悲観的な論調が多いような気がします。このような意見というのは現在の楽観論とは対象的な意見であり、非常に貴重なものだと思います。こういう意見こそ耳を傾けたほうがいいのでしょう。実際のところ、マーケットの楽観論は個人的にではありますが、やや行きすぎなような気がします。もちろんその可能性も十分あるとは思いますが、今の経済状況を見ればそこまで強気でいられるのはやや楽観的ではないかなと感じておかなければいけないのだろうと思います。

まとめ

今日は今後の米国経済に対する悲観的な意見について見てきました。現状、やや楽観的な論調のほうが強いような気がしますが、このような悲観的な意見も少なくありません。そういう意味ではどのようになってもいいように準備しておくことが重要なのかなと思います。