ニュージャージー・リソーシーズは公益事業を行なう貴族株

先月、ニュージャージー・リソーシーズ (NJR)は、四半期配当を0.332ドルから0.3625ドルへと9%引き上げました。これで連続増配年数は26年となります。貴族株となったばかりのニュージャージー・リソーシーズですが、現在も好調なようです。先月は貴族株から脱落した銘柄がでてしまい、貴族株対象銘柄が減少傾向にあります。なので、今回の増配は今後に向けて非常に明るいニュースです。そういうわけで今日は、ニュージャージー・リソーシーズについて見ていきたいと思います。

事業内容

ニュー・ジャージー・リソーシーズ(New Jersey Resources Corporation)はエネルギーサービス持株会社である。【事業内容】同社の事業は顧客に小売・卸売エネルギーサービスを提供し、クリーンエネルギープロジェクトおよび中流資産に投資する規制ユーティリティを通じた天然ガスの提供である。同社は4つの事業セグメントを通じて事業を展開する。天然ガス配給セグメントは、規制天然ガスサービス、システム外販売、容量および貯蔵管理業務で構成される。エネルギーサービスセグメントは、規制のない卸売エネルギー事業で構成される。クリーンエネルギーベンチャーセグメントは、クリーンエネルギープロジェクトへの資本投資で構成される。ミッドストリームセグメントは、天然ガス輸送および貯蔵施設などの中流天然ガス市場への投資で構成される。ホームサービスおよび他の事業は、暖房、冷房、水道器具の販売・設置などからなる。

引用:investing.comより 

ニュー・ジャージー・リソーシーズは輸送、流通、資産管理など、安全で信頼性の高い天然ガスおよびクリーンエネルギーサービスを提供するフォーチュン1000企業に選ばれています。同社は天然ガスの輸送や流通、販売など天然ガス関連の事業と、太陽光などの再生可能エネルギー事業を主に行っているようです。主にニュージャージー州のでのサービスが中心で、一部天然ガスについては北米全体で行っています。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

売上高は若干下落傾向でしょうか。大きく下げているという感じではないですが、徐々に下落しているという感じです。10年以上、横ばいから下落を続けているというのは、少々問題があるような気がします。事業改善をしていかないと配当にも影響が出てくる可能性もあるでしょう。ただ、事業内容自体が非常に公益性の高いものなので、大きく落ち込んでいくということはないと思います。しかし、対策は必要でしょう。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

株価は緩やかな上昇をしているようにも見えます。ただ、最近は勢いがなく、停滞気味という感じがします。業績があまり良くないので、株価も上がりづらいということなのでしょう。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

多くがエネルギーサービスと天然ガスサービスによる収益になっています。クリーンエネルギー事業は、まだまだ初期段階で大きく業績に貢献できていません。今後は天然ガス事業以外の、特にクリーンエネルギー事業の拡大が期待されます。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

エネルギーサービス部門が大きく落ち込んでいます。これは新型コロナウィルスの影響と思われます。なので、来年以降はある程度は回復が見込める可能性が高いでしょう。天然ガス部門は新型コロナウィルスの影響も関係なかったようで、若干の増加をしています。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当は非常にきれいな右肩上がりのグラフを描いています。非常に理想的な配当で、今後もこのようなきれいな上昇が続くことを期待したいです。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは3.6%とまずまずいい数字です。これからも配当が増えていくと仮定すれば、この数字は十分だと思います。配当性向はやや高めです。売上があまり伸びていないので少し無理をしているのかもしれません。今後、業績の改善がなければ、そう遠くない未来に配当は増えなくなる可能性が高いと思います。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

PERは過去と比較して、安値圏にあります。投資するタイミングとしては悪くないと思います。ただ、安値で放置されているということは、業績に問題があるという可能性もあるので、注意が必要です。実際、ここ10年ほど業績は下降傾向にあります。慎重な判断が必要かもしれません。

貴族株指標

  • 増配年数 26年
  • 配当利回り 4.17%
  • 1年増配率 6.72%
  • 3年増配率 6.97%
  • 5年増配率 6.78%
  • 10年増配率 6.45%
  • 配当性向 86.31%
  • PER 20.72

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

増配年数26年は非常に立派な数字です。貴族株になってまだ日は浅いですが、これからも頑張ってもらいたいです。配当利回りは4.17%と非常に高い数値になっています。これだけあれば、配当狙いの投資家からすると、十分検討対象となるでしょう。増配率は、すごく高いというわけではありませんが、非常に安定して、着実に成長しているという感じです。この10年間、6%後半の値をずっとキープしています。非常に安定感のある数字で、安心感があります。新型コロナウィルスの影響のあったにもかかわらず、今年も6%台の増配をしているので、かなり信頼感が出てきます。配当性向は86.31%と若干高めです。収益が上がっていけば問題ないですが、そうでないとこの先は厳しくなるかもしれません。売上高はこのところ伸び悩んでいるので、そろそろ上昇が止まる可能性も考えて置かなければならないと思います。PERは20.72と高くはありません。過去と比較しても現在は割安なので、投資するタイミングとしてはいいでしょう。

まとめ

今日はニュージャージー・リソーシーズを見てきました。事業自体は公益性のあるものなので、業績が急激に上昇したり下落したりする可能性は少なく、安定感はあると思います。ただ、最近は売上が減少傾向なので、この先はもしかしたら増配は期待できないかもしれません。特に、最近は天然ガスの価格も上昇しています。これが、同社にとってプラスであればいいのですが、価格転嫁ができず、収益を圧迫するようだと、すぐに増配は停止することになりそうです。配当利回りや、増配率はいいですし、PERも割安なので投資するタイミングとしては悪くはないでしょう。ただ、何があってもいいように注意は必要かもしれません。