米国株式市場がついに弱気相場入り

米国経済は深刻さを日に日に増してきていますが、先週、S&P500が今年の最高値から20%下落し、弱気相場に入ったことがニュースになっていました。いつか来るだろうなとは思っていましたが、正直もう少し後なのかなとは思っていました。これで終わればいいのですが、今のところそのような感じは全くと言っていいほど見せておらず、FRBの金融政策や世界情勢などを見るとまだまだ下落は続いていくかもしれません。そういうわけで今日はこのニュースについてみていきたいと思います。

米国の株式市場が弱気相場入りする

先日、下落が続く株式市場に大きなニュースが飛び込んできました。ついにS&P500が20%以上の下落をしたというのです。

今年上半期のS&P総合500種指数は20.6%安と1970年以降で最大の下落になり、時価総額は約8兆5000億ドル減少した。6月には1月に記録した最高値から終値で20%超下落し、名実ともに弱気相場に入った。

引用:ロイターより

一般的に、株価が20%の下落をすると弱気相場入りしたといわれるようなので、これからさらに株価は下がっていくということなのでしょう。ただ、これはあくまで後付けの理由なので必ずそのようになるというような化学的な理由があるわけではありません。なので今後について何も確定した事実はないということは覚えておいた方がいいでしょう。しかし、現実を見る限り、とても株式市場が好調であるとは言い難く、今後も弱気な展開が続いていくだろうことは容易に想像できます。

FRBの目的は物価の安定と雇用の最大化

FRBは現在インフレ抑制を第一の目標として行動しているような雰囲気です。FRBの仕事の目的というのは物価の安定と雇用の最大化です。そのために雇用統計などの指標が最重要視されています。この二つの目標のうち、物価の安定の方に今は重心を置いているということです。日銀をはじめ、他の多くの中央銀行の目的は物価の安定の身というところも多く、そういう意味ではFRBの仕事というのはやや特殊といっていいのかもしれません。

FRBがインフレをきちんとコントロールできる保証はない

今は労働市場も比較的堅調であり、物価安定に向けた仕事だけをしていればいいかもしれませんが、今後景気が悪化していき、雇用も不安定になってくれば、必然的にFRBの金融政策にも影響が出てくるでしょう。先ほども言いましたがFRBの目的というのは物価の安定と雇用の最大化です。多少のことであれば問題ないかもしれませんが、大きく失業率が上昇するなどすれば金融政策にも影響が出てくるでしょう。そういう意味では今後の労働市場の動きというのは非常に注目であり、そこがおかしくなってくるとFRBとしてもどのようなスタンスで政策をすればいいのかかなり混乱してくる可能性があると思います。インフレを抑制するために雇用についてはあきらめるのか、もしくは雇用を維持するためにインフレの高止まりを容認するのか、もしくは両方失敗してスタグフレーションの状態に陥ってしまうのか。いずれにせよ今後は非常に厳しい道のりが米国経済にはまっているというのは間違いないのではないのかなと思います。

こんな時だからこそ投資は継続するべき

S&P500が20%も下がり、今後の株式市場にあまり期待が持てないといっても株式投資をやめるという選択はあまりよくないと思います。株価は必ずいつか上昇をします。これまでも何度ももう駄目だという空気が株式市場に漂ったことはあります。大きな戦争やITバブル、リーマンショックなど株式市場がとんでもない下落をしたということは過去に何度も経験しているのです。しかし、そのたびに株価は結局のところ持ち直し、過去最高値を更新するような展開を続けているのです。今回もおそらくは数年程度の弱気相場は続くかもしれません。しかし、そのあとには素晴らしい上昇相場が待っているはずです。その時に慌てて株を買っているようだと結局高値掴みをしてカモにされるだけです。株式市場で成功をしたいのであればこのような弱気相場の時にこそ株価を買い続けるべきです。そうすればいつの日か必ず日の目を見ることができると思います。

まとめ

今日はS&P500の下落によって弱気相場入りした株式市場について考えてきました。今後については非常に厳しい展開が予想されます。とてもFRBが難しいかじ取りを成功させ、インフレを抑制しつつ、経済を成長させるということができるとは思えないです。ですが、仮に大失敗したとしてもいつかは必ず株式市場は上昇します。資本主義というのはそういうものです。もし、永遠に株式が上昇しないような世界になったとすればもはやお金を持つ意味というのはなくなっているでしょうし、そのようなことはあまり気にする必要はないと思います。そういう意味でもこのような下落相場にこそ投資は行うべきであり、継続していくべきです。そうすればいずれ大きな資産を築くことができると思います。