現状はややタカ派が多い印象

今後の金融政策についてはややハト派の意見も目立つようになってはきましたが、依然としてタカ派の意見も多く存在します。むしろ勢力で言えばタカ派のほうがやや強いような印象を受けますし、おそらくはその意見がより採用されるのではないかという感じが今の所しています。いずれにせよ、今後の展開については非常に不透明であることには間違いないとは思います。

一層の引き締めが必要

FRB関係者の中でもタカ派として有名な前セントルイス連銀総裁のブラード氏は今後の金融政策について以下のような見解を述べています。

前セントルイス連銀総裁のジェームズ・ブラード氏は、市場はインフレを過小評価していると指摘。インフレ率が再び上昇し始めた場合、米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を最高で6.5%に引き上げる必要に迫られる可能性があるとの見解を示した。

  ブラード氏は13日、国際通貨基金(IMF)・世界銀行の年次総会に合わせてマラケシュで開かれたセミナーで、「市場で織り込み不足となっているリスクは、ディスインフレが失速ないし完全に停止し、個人消費支出(PCE)コア価格指数が再び上昇し始めることだ」と指摘。「そうした事態になれば、講じた政策が十分だったのかどうかについて、金融当局者の間で新たに動揺が広がり始めるだろう」と述べた。

  さらに、「そうなった場合、FOMCは6%ないし6.5%への利上げを検討せざるを得なくなる」と述べた。  

引用:bloombergより

このようにブラード氏は述べ、現在のマーケットはインフレに対して楽観的すぎており、インフレに対するリスクを過小評価すべきではないとの見方をしています。その上で今後も政策金利を引き上げ、インフレ抑制を確実に実行していくべきとの見解を述べました。その結果、現在の政策金利はさらに上昇し、6%を超える水準まで引き上げる必要があるだろうとのことです。

ややタカ派が優勢な印象

ブラード氏は以前より非常にタカ派的なポジションを取っており、引き締めに対して積極的な発言をしていました。ブラード氏と同様の意見を述べる関係者も多く存在しており、インフレ抑制のために厳しく望むべきだというのはおそらくは多数派なのではないかなと感じています。そういう意味で今後もやや厳しい引き締めは継続するのだろうと思います。マーケットはいつも楽観的に推移する傾向があるのでその動きは今後若干の修正がされるのかなと感じます。何れにせよ次回のFOMCまでにはまだ時間があり、それまでの経済指標にてどのようにも変化する可能性はあるでしょう。昨日のハト派の意見もありますし、多くの関係者はあくまでデータ次第であるということに関しては一致しています。そういう意味ではややタカ派的に推移するとは思いますが、データ次第でなんとでもなるということです。

まとめ

今日は金融政策についてのタカ派の意見を見てきました。現在は金融政策について非常に意見の幅が広がってきている印象です。それだけ難しい局面であり、大きな転換点なのだろうという感じがします。ここで失敗すれば大きな景気後退に陥る可能性もあり、FRBには慎重に事を進めてほしいものです。