利上げ終了の可能性がさらに高まるも、利下げはまだまだ先の話

今後の金融政策について市場ではすでに利上げ終了が織り込まれていますが、実際に決定したことは何もありません。そのため慎重な行動が必要だと思いますが、それでもその可能性について気になるという人もいることでしょう。そして昨日はその可能性をさらに高めるような発言が聞かれ、ますます利上げ終了の期待が高まっています。

タカ派も利上げ終了の可能性を匂わせ始める

昨日は多くの要人が様々な発言をしましたが、その中で利上げ終了を感じさせるような発言がいくつか見られました。

インフレ抑制のため利上げを主唱してきた米金融当局者2人が28日、当面の金利据え置きに異論を示さず、現在の米利上げサイクルは終了したとの見方が補強された。

  タカ派の代表格の一人である連邦準備制度理事会(FRB)のウォラー理事はインフレ率を当局の目標である2%に戻す上で金融政策は好位置にあると述べ、当局者が追加利上げを行う必要はないかもしれないとの考えを示唆した。

  一方、ボウマンFRB理事はインフレ減速が停滞すれば利上げを支持する意向は変わらないとしながらも、来月の利上げ支持の表明には至らなかった。

  理事2人のコメントで12月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合の見通しが変わることはないが、特にウォラー理事の発言は、経済活動とインフレ、労働市場が軟化しつつある兆候が見られる中で、金利据え置き継続への支持が当局者の間で広がっていることを示唆する。

  ウォラー理事はワシントンにある保守系シンクタンク、アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のイベントでの講演で、「経済を減速させ、インフレ率を2%に戻す上で政策が現在、好位置にあるとの確信を私は強めている」と発言。「ここ数週間に目にした状況を心強く感じている。それは経済のペースだ」と付け加えた。

  10月は成長とインフレに関して減速ではなく、むしろ加速がデータで示されていた。ウォラー理事は10月の自身の発言に触れつつ、それ以降はデータは正しい方向に向かっていると指摘。また10-12月(第4四半期)に一段と減速するとの市場予想にも言及した。

  両理事は政策の先行きについてはなお多くの不確定要素があるとの見解を示した。

  ボウマン理事はユタ州ソルトレークシティーでの講演で、さらなる政策引き締めが必要だとなおみているとしながらも、以前のコメントよりも利上げ支持にさらなる条件を設定した。

  「インフレ面の進展が停滞している、あるいはインフレ率を時宜を得て2%の目標まで低下させるのに不十分であることがデータで示されれば、将来の会合でフェデラルファンド(FF)金利の引き上げを支持する立場に変わりはない」と述べた。

  同理事はその上で、「インフレとの闘いでの拙速な勝利宣言に伴うリスクと歴史的教訓を念頭に置くべきだ。リスクの一つは、追加引き締めをせずにインフレ率が当局の目標である2%よりも高い水準に定着する可能性だ」と指摘した。

  タカ派的な当局者2人が、引き続き経済の動向やインフレ減速が続くかどうかに注意を払うと示唆しながらも追加利上げに以前よりも控えめなコメントをしたことから、12月の金利据え置きの可能性が高まった。

  12月12、13両日に今年最後のFOMC会合が開かれる。9月に公表された金利予測分布図(ドット・プロット)で、当局者の大半は年内にもう1回の利上げが必要になると予測していた。しかしそれはまだ実現しておらず、その可能性はますます小さくなっていると見受けられる。

引用:bloombergより

このようにこれまでタカ派と見られていた関係者が、利上げ終了を感じさせるような発言をし、話題となっています。もちろん決定したことではありませんが、これまでよりも確実に発言が軟化したことは事実であり、FRBも利上げ終了の可能性を感じ始めていることは確かでしょう。そういう意味ではマーケットはさらなる期待を込めて動く可能性が出てきたのかなという感じです。

利下げはまだまだ先

最近はインフレ鈍化を連想させるような経済指標の発表が相次ぎ、それでも利上げの可能性を否定しない発言が多かったような気がします。しかし、最近はこのように利上げを否定しないまでも、終了の可能性を以前より示唆するような発言が多くなってきたのかなという印象です。それだけタカ派と見られる指揮者にとっても現在の経済状況は十分に引き締められていると感じられているのかなという感じです。そういう意味では今後の金融政策についてはより一層の引き締めの可能性についてはかなり減少したのかなという感じです。しかし、利上げが終了したとしても利下げとなるとさらなるハードルがあると思われますし、何度も行っていますが今回のインフレは非常に粘着性が高いです。そういう意味では利下げという段階になるまでにはまだまだ時間がかかるような気がします。

まとめ

今日はFRB関係者の発言について見てきました。タカ派の人にとっても現在の状況というのは落ち着きを感じるものとなっていることは確かだと言っていいのかなという感じです。そういう意味では利上げ終了の可能性はかなり高くなったのかなという感じです。ただ、更に進んで利下げというのはまだまだ先になると思われますので、過度な期待はしないほうが飯豊法s.