FOMCの結果を受けて今後の予想を緩和的に変更するところが増える

今後の金融政策について予想外に緩和的な姿勢を示したFRBですが、早速それを受けて今後のマーケットの予想も変化してきています。来年度の早期の緩和観測が一旦強い経済指標によって遠ざかったところですが、再び再加速した形となっています。

FOMCの結果を受けて予想を変更するところが多くなる

今後の政策金利の行方について、FOMCの結果を受けて見方を変更する専門家が多くなってきました。

ゴールドマン・サックス・グループのエコノミストチームは、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局の2024年の政策運営に関し、従来予想よりも急速かつ大幅な利下げ見通しを新たに示した。

  チーフエコノミストのヤン・ハッチウス氏率いるチームは、13日に発表された11月の米生産者物価指数(PPI)が前年同月比で1%を下回る伸びとなり、ディスインフレのシグナルが示された点に着目。過去の発表分が下方修正されたことと合わせ、金融当局が重視するインフレ指標の伸び鈍化を示唆すると指摘した。

  エコノミストらはリポートで、金融当局が近いうちに高過ぎると見なすようになる可能性がある水準から政策金利をリセットする形で、「3月、5月、6月の3回連続で0.25ポイントずつの利下げが実施されると現時点で見込まれる」と説明した。

  その後は四半期ごとのペースの利下げが予想され、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは最終的に3.25-3.5%になるとの見通しを示した。連邦公開市場委員会(FOMC)は12、13両日に開いた会合で同目標レンジを3回連続で5.25-5.5%に据え置く決定を下している。

引用:bloombergより

このように今回のFOMCの結果を受けて多くの専門家が今後の政策金利の行方について変更をしてきました。一時期はインフレ鈍化の兆候を受けて来年度早期にも緩和が行われるのではないかという観測も出てきていました。しかし、雇用統計や消費者物価などの経済指標の結果を受けてややそのトーンを落としていたところです。ですが、FOMCではまだ強さを残している経済指標を受けても来年度に緩和方向へと向かっていく見込みについて言及したのです。そういう意味で今回のFOMCではややサプライズがあったように思います。

やや楽観的になってきているような気はする

今回のFOMCについては本当にサプライズだったように思います。個人的には今回のインフレは非常に粘着性が強く、そう簡単に落ち着いていくとは思えません。そのため引き締め政策は長期化するものと思っていました。しかし、今回のFOMCではやや楽観的な姿勢を示し、今後の展開について市場の期待に沿うような結果となりました。もちろん引き締めが続く可能性もなくなったわけではないのでまだどうなるかわかりませんが、少なくとも従来よりはその可能性が高くなったのかなという感じです。経済についてもやや失速の懸念があり、そういう意味でも緩和の可能性を示唆する必要もあったのかもしれません。しかし、個人的にはあまりそこまで期待はできないかなという感じがします。先程も言ったように今回のインフレは非常に粘着性が高いです。そういう意味では思っているよりもインフレが落ち着くのには時間がかかるでしょう。そうなれば金融政策も緩むことはないはずです。実際のところはどうなるかはわかりませんが、あらゆる可能性を考慮しておく必要があることだけは事実です。

まとめ

今日は今後の金融政策について見てきました。FOMCの結果を受けて、やや緩和的な姿勢を示すところが多くなってきました。個人的にはやや楽観的すぎるような気はしますが、投資家としてはそのほうがありがたいので、そうなるのであれば歓迎しますというところにしておきたいと思います。いずれにせよ未来のことは誰にもわからないことを覚えておきたいところです。