FOMCでは予想以上に楽観的な見通しを示したような気がする

今月の12日と13日には市場が注目しているFOMCが開催されました。内容としては意外と強く来年度の利下げが強調されたものとなっており、市場もそのことは好感しているのかなという感じがします。今の所インフレはまだまだ健在となっていますが、金融政策の大幅な転換というのはもしかしたら意外と近いのかもしれません。

FOMCはやや楽観的

一昨日から昨日にかけて、米国の金融政策を決める重要なFOMCが行われ、3回連続での金利の据え置きが決定されました。

米連邦公開市場委員会(FOMC)は12月12-13日に開催した定例会合で、主要政策金利を2001年以来の高水準で据え置くことを全会一致で決定した。金利据え置きは3会合連続。また2024年に複数回にわたって金利を引き下げるとの見通しを示し、積極的な利上げキャンペーンが終了したとのシグナルをこれまでで最も明確に発した。

  フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジは5.25-5.5%。FOMC参加者の予測中央値では、今後追加利上げはないとの見通しが示された。予測中央値で追加利上げの見通しが示されなかったのは2021年3月以来。

  24年については合計で0.75ポイントの利下げを当局者らは予測。9月時点での予測より利下げペースが急になっている。24年末時点でのFF金利については、予測中央値は4.6%だが、FOMC参加者個々の予測はばらつきが大きい。

  8人は0.25ポイントの利下げが3回未満とみている一方、5人はそれ以上の利下げを予想している。

  米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は会合後の記者会見で、予測はあらかじめ決められた計画ではないと強調。物価上昇圧力が再び台頭しないようにするため、追加利上げの選択肢を外す用意はないとした。ただ、利下げ開始がいつ適切になるかについて今回のFOMC会合で議論したことは認めた。

  パウエル氏は「利下げは視野に入り始めており、実社会で話題になっているのは明白だ。今回のFOMC会合でも議論した」と述べた。

  FOMCのトーンの変化は、会合後に発表された声明での文言修正でも浮き彫りとなった。声明では「インフレ率を時間とともに2%に戻すために追加引き締めが適切となり得る場合、その程度を決定する上で、委員会は金融政策の累積的な引き締めや、金融政策が経済活動とインフレに与える影響の遅効性、経済や金融の情勢を考慮する」と記述。前回の声明には、「場合」との文言は含まれていなかった。

  またその他の変化として、インフレについて「この1年で緩和したが、依然として高い水準にある」と指摘。さらに、大半の参加者は物価上昇に対するリスクはおおむね均衡が取れているとみている。

  今回新たに示された予測では、今年と来年のインフレ予想が下方修正された。金融当局が重視する食品・エネルギーを除いた個人消費支出(PCE)コア価格指数は、24年に2.4%上昇を予想。来年の経済成長率についても予想をやや下方修正した一方、失業率の予測は変わらなかった。

  FF金利については一段の低下を予想し、25年末時点で3.6%(中央値)と見込んでいる。

引用:bloombergより

このように今回のFOMCでも政策金利の据え置きが決定されました。金利の据え置きについては大方の事前予想通りだったので大きなサプライズはないと言っていいでしょう。しかし、来年度の金利予想についてはやや楽観的な味方をFRBがしていることが確認されたことは意外だったように思います。インフレは一時期の強さを失いかけてはいますが、未だ強さを残しています。雇用統計も予想外に強い結果となっており、消費者物価もそこまで減速しているようには思えませんでした。そういう意味ではここまで楽観的な味方をしているというのはやや意外な気がしたというところです。もちろんあくまで予測であり、インフレが強さを残しているのであれば利下げを延期するという決断も躊躇なくすることでしょう。そのあたりについてはデータ次第で決定するという現在のFRBの姿勢は変わっていないものと思われます。

全てはデータ次第

今回の結果についてはやや意外だったなという感じがします。最近の経済指標を見る限り、インフレはそこまで楽観的になれないような気が個人的にはしていました。もちろん以前ほどの強さはありませんが、なかなかしぶといという印象は十分に残っていたと思います。にもかかわらず、ここまで楽観的な味方をしているということは、意外だったと言っていいのかなと感じます。もしかしたらFRBは何かしら楽観的になれるような確証を得られているのかもしれませんが、正直なんとも言えないというところです。いずれにせよ、すべての予測はデータ次第でいくらでも変わることは事実です。なので私の心配が正しく、FRBの楽観論が間違いだった場合にはすぐに修正されることでしょう。そのくらいの柔軟性を今のFRBは持っているような気はします。

まとめ

今日は今月行われたFOMCについて見てきました。予想外に楽観的な結果でしたが、個人的にはそこまで自身は持てないかなという感じがします。しかし、いずれにせよデータ次第でどうとでもなることは覚えておきたいところです。個人的にはやや楽観的すぎるかなとは思いますが、FRBの想定通りになるのであれば、それはそれで喜ばしいことではあるので良しというところです。