シンタスコーポレーションが2022年度第一四半期の決算を発表

2021年9月29日、シンタスコーポレーションが2022年度第一四半期の決算を発表しました。シンタスコーポレーションは主に北米でユニフォームレンタル事業を行っている会社です。レンタル事業というのは継続的に収益が発生し、非常に業績が安定しやすいため、安定志向の投資家に人気があります。配当も毎年増配され、現在増配年数は39年になります。貴族株投資家としては非常に興味があるところです。というわけで今日はシンタスコーポレーションについてみていきたいと思います。

事業内容

シンタスは企業向けに制服の製造、レンタル、販売に従事。各種サービスを北米、中南米、欧州、アジアで展開する。事業は4部門で構成。制服レンタル・付属品部門は制服、清掃用モップ、タオルのレンタルサービスを米国とカナダで展開。制服販売部門は制服や関連製品を販売。また、応急処置・安全・防火サービス部門と書類管理サービス部門を含む。

引用:ヤフーファイナンスより

シンタスは企業向けのユニフォームレンタル等が主なサービスで北米を中心に世界で事業を展開しているようです。その規模は二位以下を圧倒しているとのことで、高い技術力や良いサービスが高く評価されているものと思われます。高いシェアを持っていれば、価格交渉力もあり、無理な値下げ競争の心配もなさそうなので、投資対象としてはプラス材料でしょう。その他にはユニフォームレンタルに付随するような企業向けサービスもやっています。具体的には施設用品(トイレのマット等)や消火器などです。ユニフォームレンタルに合わせて顧客に提案しているようで、非常に効率の良い仕事をしている印象です。

通期業績推移

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

御覧の通り、売上高、営業利益は右肩上がりで非常に順調に伸びています。こういう企業は投資先としては理想的で、非常に興味が出てきます。

株価の推移

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

株価も順調で右肩上がりです。10年で約10倍くらいにはなっているでしょうか。これから先もこの勢いが続かどうかはわかりませんが、ユニフォームのレンタルというのは人間が仕事をしている限りなくなるものとは思えませんし、高い競争力を持っていることを考えれば、この先も順調な上昇を期待させるでしょう。

セグメント構成

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

主にユニフォームレンタルとファシリティサービスで約80%ほどになります。いろいろな事業に分散しているというわけではなく、自分の得意とする分野に集中するというようです。事業内容によっては収益が偏りすぎて問題があるようにも見えるかもしれませんが、やっていることは非常に社会に不可欠なもので、圧倒的なシェアを持っていることを考えれば大きな問題にはなりづらいでしょう。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

業績は順調に伸びているようです。やはり収益の大部分はレンタル事業のようですが、伸び率は鈍化しているように見えます。

年間配当推移

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

このグラフを見ると減配しているように見えますが、2020年までは年一回の配当だったのに対し、2021年からは年4回と配当方法が変更になっているようです。よって配当が2021年には大きく増えて、2022年には減っているように見えますが、実際の配当金額はこのままいけば今年も若干の増加はしそうです。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

配当利回りは若干低く、1.5%程度で配当狙いとしては物足りない感じです。これは安定して業績や配当を増やしている企業によくあることです。こういう銘柄は誰もが購入したいと思いますから株価は上昇し、その結果配当利回りは低下します。そういう意味ではシンタスのすばらしさを表しているのかもしれません。配当性向も50%以下であり、今後も安定して配当が期待できます。

PER

引用:マネックス証券 マーケットスカウターより

PERは若干高めでしょうか。市場平均よりも高いのはもちろん、過去の推移から見ても今の水準は高い位置にあります。投資するタイミングとしてはあまり良くないのかもしれません。

今回の決算内容

今期第一四半期の収益は19億ドルと去年の同じ時期の17.5億ドルから約8.6%の増加です。EPSも3.11ドルと去年から11.9%の増加となりました。今期も業績は順調のようです。配当も一株0.95ドルと前回の0.75ドルから増えています。また、年間の収益予想も75.3億ドル〜76.3億ドルから75.8億ドル〜76.7億ドルに引き上げました。今後も十分期待がもてそうです。

参照:シンタスコーポレーション プレスリリース

貴族株指標

それではいつもの貴族株の指標を見ていきましょう。

  • 増配年数 39年
  • 配当利回り 0.96%
  • 1年増配率 10.2%
  • 3年増配率 20.2%
  • 5年増配率 21.8%
  • 10年増配率 19.3%
  • 配当性向 37.15%
  • PER 38.69

参照:U.S.DividendChampions 2021/08/31より

増配年数39年というのは素晴らしいの一言です。もう何度も行っていますが、非常に安定した事業を行っていることがよくわかります。配当利回りが0.96%というのは配当狙いの投資家には少々物足りない数字です。増配率については申し分ないでしょう。ここ一年は10%と増配率が低下していますが、それでも十分高い数字です。配当性向も40%未満でこれからも安定した配当が期待できます。PERについては少々高すぎる気がします。過去の推移から見ても明らかに高いので投資するのであれば少し落ち着いてからのほうがいいかもしれません。

まとめ

シンタスコーポレーションは圧倒的なシェアを持ち、非常に安定した事業を行っているようです。ビジネスモデルも陳腐がすることなく、これからもしばらくは続いていくと思われますし、長期投資の対象としてとても良い銘柄でしょう。各指標についても長期投資の対象としては申し分ないです。配当利回りが若干低いため、配当狙いでの投資はしづらいかもしれません。しかし、連続増配銘柄ということは株主に対して配当できちんと還元していこうという姿勢は十分にあると思われます。なので、これから配当も増えていき、株価も上昇すれば十分な利益は出せると思いますので、検討する価値はあるでしょう。投資タイミングとしてはPERが過去と比較しても高いので少し待ったほうがいいかもしれません。ちょうど、米国はインフレ懸念などやテーパリングなど、不安材料が出てきていますし、落ち着いてから検討したほうがいいでしょう。私も今回の調査の結果をもって、シンタスコーポレーションを監視していこうと思います。