債券市場にて6月利下げの可能性が後退する

最近の強いインフレ指標により利下げ観測は後退することが予想されていましたが、それが市場では形となって現れてきました。債券市場ではすでに6月の利下げの可能性について50%を下回るようになっているようです。これだけ強い指標が相次いでいるのであれば当然といえば当然なのかなという感じはしますが、これで終わりということはないでしょう。さらなる後退という可能性も十分に考えられるところです。

債券市場で利下げ期待が後退

強いインフレ指標の結果を受けて、債券市場での利下げの可能性がかなり後退してきているようです。

債券市場では年内の米利下げ観測が後退を続けており、金利スワップ市場では6月利下げの確率が50%を割り込んだ。

  6月のスワップ契約は金利が5.21%に近づいており、現在の実効フェデラルファンド(FF)金利5.33%との差が縮小、12.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)より狭くなった。連邦公開市場委員会(FOMC)が設定するFF金利誘導目標は昨年7月から5.25~5.5%となっている。

引用:bloombergより

このように債券市場では6月の利下げの可能性についてやや可能性を否定するように推移しているようです。これだけインフレが強く健在であれば当然かなという感じがします。しかし、あくまで現状マーケットがそう考えているというだけであり、実際どうなるかはわかりません。当然ながらさらなる後退の可能性もあるでしょうし、これまでのことを考えればそうなることも十分考えられるところです。そういう意味で今回の結果も途中経過であり、さらなる修正の可能性も十二分に考慮するべきであると思われます。

さらなる修正の可能性も小さくない

マーケットも利下げ後退の可能性について徐々に織り込みだしたというところでしょう。これだけ強いインフレ指標であれば当然であると言っていいと思います。というよりもいつも行っていますがマーケットは何故か最近はかなり物事を楽観的に見る傾向があります。特にインフレがピークをうち、ようやくインフレも終息になりそうだと考え出してからはそれが顕著になったような気がします。実際、インフレはまだ収束しておらず、まだまだ健在であることは事実です。そして今回のインフレは非常に粘着性が高いことは当初から言われていることであり、そう簡単には収束しないであろうことも懸念されていました。そういう意味では利下げの実施がより後退するということも十分にありえるでしょうし、そうならない可能性だって全く小さくないということも理解しておくべきなんだろうと思います。

まとめ

今日は債券市場での利下げ時期の修正について見てきました。利下げはおそらく相当後方へとずれ込むのではないかと個人的には感じています。これまでの状況を見る限りはそう簡単にはインフレは収束しないでしょうし、米国経済も今の所金融政策の変更を余儀なくさせるほどの弱さもありません。そういう意味では今回のこともまだまだ序の口であり、今後も修正は更にされるかのせいもあるのだろうと感じています。