Amazonが米国でFBAの値上げを発表。価格競争力のある企業はインフレ下においてやはり強い。

インフレが加速する中、価格交渉力のない企業はこれからかなり厳しい戦いをせざるを得ないことになるでしょう。特に日本のように需要が弱い地域では企業が価格にコストを転嫁しにくく、企業の利益を圧迫していくことが予想されます。そういう意味でも自ら価格を決定する力のある企業というのは非常に有利な状況になっていると思います。そのような動きがいろんなところに出てきており、先日も有名なネット起業でその動きがあったので今日はそれについてみていきたいと思います。

AmazonがFBAの値上げを発表

Amazonは日本でもおなじみのネット企業です。いわゆるGAFAの一角を占めており、今成長著しい企業の一つですが、そのAmazonがFBAのサービスの料金を値上げすることを発表しました。

2022 US FBA fulfillment fee changes

Note: For an overview of all 2022 US selling fee changes, go to our help article.

Starting on April 28, 2022, a 5% fuel and inflation surcharge will be applied to FBA fulfillment fees. The surcharge is subject to change.

引用:Amazonより

今回の発表はおそらくは米国でのものであり、日本では適用されないのかもしれません。私はFBAを利用したことがないのでよくわかりませんが、調べてみたところ、日本のサービスについては値上げの発表の記事は出ていませんでした。発表文にも米国と書いてあるので多分間違いないとは思いますが、FBAを利用している人はキチンとご自身で確認していただいた方がいいと思います。

FBAとは

FBAはAmazonが出品者に代わって商品の保管・発送・カスタマーサービスなど物流全般業務を代行するサービスであり、出品者にとって非常にありがたいサービスです。これにより非常に面倒な物品管理等を行わなくて済むために、個人でも商売が非常に行いやすくなっているようです。

米国はこの値上げを受け入れられるということ

今回の発表は主に米国でのものということですが、つまりは米国ではこの値上げは十分に受け入れられるとみているのでしょう。逆に言うと日本では値上げをしてしまうと顧客が離れていってしまうとみていて、値上げができないのだろうと思われます。今回の値上げの理由として燃料高とインフレを理由に挙げていますが、当然その影響は日本や米国以外の国々でも起きていることです。にもかかわらず米国でしか値上げをしないということはそういうことなのでしょう。これは消費者としてや事業者としてはうれしいことのように思いますが、インフレ下においても値上げができないということを考えると正直あまり喜ばしいことではないような気はします。

価格競争力のない企業は淘汰される

このように価格競争力を持っている企業というのはどんどんコストを価格に転嫁することができます。そのために収益を圧迫することがなく、利益をドンドン伸ばしていくことができるのです。逆に価格にコストを転嫁できないような企業というのはインフレ下においても価格にコスト分を乗せることができないのであっという間に利益を削られて行ってしまうのです。よってその状況が続いていけばそのうち利益がなくなり、倒産という事態に陥ってしまうのです。

投資家は価格競争力のない企業を買ってはいけない

現在米国企業の業績は好調であり、労働市場も堅調なことから株価はそこまで後退していません。しかし、このような高いインフレが続いていけば、いつかは業績にも影響してくることが予想されます。そうなったらまずは当然ですが弱い企業からどんどん淘汰されていくことになります。弱い企業というのはいろいろな理由があると思いますが、インフレ下においては価格転嫁ができないような価格競争力のない企業のことです。なので今後、インフレ下において株式投資をするときにはきちんと価格競争力のある企業に投資することが重要になるでしょう。仮にどんなに不況が来たとしても人間社会の根底からひっくり返るような事態でも起きない限り、企業がすべてなくなるということはありませんし、企業活動が停止するということもないでしょう。なのできちんとした収益基盤を持っている企業であればどんな不況が来ようともきちんと利益を出して乗り越えることができると思います。そういうような企業の株を買うべきなのです。

まとめ

今日はAmazonの値上げのニュースからインフレ下における投資について考えてみました。Amazonの値上げはそれだけ価格競争力があるという証拠でもあります。これが受け入れられるのであればAmazonの利益は上昇するわけですし、株価にとってもプラスです。そういう意味ではこの決定が顧客に受け入れられると思うのであればAmazonは買いだということです。個人的にはAmazonが否定されるということはないような気がするので今回の決定はAmazonの収益にとってプラスとなるでしょう。このようにこれからはどんどん値上げのニュースは出てくると思われます。中にはそれが受け入れられずに窮地に陥る企業も出てくるとは思いますが、そのような企業ではなく、Amazonのようにきちんと価格競争力のある企業の株を買うようにしたいところです。