中古住宅販売件数は予想外に悪化する。

米国経済はまだまだ厳しい状況が続きそうです。先日発表された中古住宅販売は2年ぶりの低水準となり、金利上昇が不動産市場に大きな影響を与えていることが確認されました。急激な金利上昇により、このような事態が起こることは想像されていましたが、やはり実質賃金も低下し、苦しい台所事情を反映して厳しい結果となっています。米国経済はリセッションするのかそうでないのかという話をよく聞きますが、さすがに急激な利上げの影響の悪影響が大きく出るのではないかと懸念してます。そういうわけで今日は先日発表された中古住宅販売件数についてみていきます。

中古住宅販売件数は予想外に悪化

20日に発表されたべ国の中古住宅販売件数は予想以上に悪化し、約2年ぶりの低水準となりました。

  • 中古住宅販売件数(季節調整済み、年率)は前月比5.4%減の512万戸
  • 2020年6月以来の低水準
  • ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は535万戸
  • 前月は541万戸(速報値からの修正なし)

引用:Bloombergより

急激な金利上昇を背景としたローン金利上昇を受けて販売が伸び悩んだものとみられます。現状、米国の不動産市場は非常に厳しい状況が続いているようです。

中古住宅販売はこれで5カ月連続の減少と、2013年以降で最悪の減少局面となった。米金融当局が積極的な利上げを行う中、住宅市場の落ち込みは今後も深まりそうだ。住宅ローン金利が08年以来の高水準近辺となっていることを背景に需要が抑制され、購入契約解除の比率も増えている。米住宅統計では、全米ホームビルダー協会(NAHB)とウェルズ・ファーゴが18日発表した7月の住宅市場指数が20年5月以来の水準に低下。19日に発表された6月の米住宅着工では、一戸建て住宅の着工件数と着工許可件数がともに2年ぶりの低水準となった。NARのチーフエコノミスト、ローレンス・ユン氏は「住宅を購入しづらい状況が引き続き潜在的な買い手に影響を及ぼしている」と発表資料で指摘。「住宅ローン金利と物件価格は短期間にあまりに急激に上昇した」と説明した。6月の中古住宅販売在庫は126万戸と、昨年9月以来の高水準。販売に対する在庫比率は3カ月となり、5カ月連続で上昇した。中古住宅価格(季節調整前、中央値)は前年同月比13.4%上昇し、41万6000ドル(約5750万円)と過去最高を更新した。

引用:Bloombergより

このように不動産市場は何もいいところがないといった感じです。不動産市場がこれだけ悪化しているということは当然ながら米国経済全体に与える影響というのも小さくないでしょう。企業決算を見るとシティなど好決算を発表しているところもあり、今すぐ急落するということはないかもしれません。しかし、小売りなど予想外に悪化している業種もあり、全体的に見ればやはり景気は後退しているといっていいのではないかと思います。

いつ反転するのかはわからない

問題はこれがどの程度まで行くのかということです。正直なところしばらくは良くて横ばい、悪ければリセッションというところだと思います。そして一番の関心事というのはそれがいつ終わり、また上昇相場になるのかというところです。当たり前ですがそれはだれにもわかりません。個人的には数年程度は景気は回復しないのではないかと予想していますが、もしかしたら大して景気後退もせずに年明けには上昇を始めるかもしれません。結局のところ未来のことはだれにもわからないのです。なのであまり余計なことは考えずに分散投資、積立投資をしていけばいいのだと思います。

まとめ

今日は先日発表されて中古住宅販売についてみてきました。やはり急激な金利上昇は米国経済にとって大きなダメージを与えているようです。すこしFRBのやり方は厳しいのではないかという意見も多く聞くようになってきましたが、その可能性も十分にあり得るでしょう。しかし、それらはすべて結果論であり、あとからは何とでもいえます。そういう意味ではFRBが何をしようとも批判論はいくらでも出てくるのであまり気にしても仕方ないでしょう。個人投資家である我々はあまり余計なことを考えずに初志貫徹でいくべきです。