9月のFOMCでは100bpでの利上げがおこなわれるのか

予想外に強い消費者物価の値によって市場では様々な憶測が出てきています。今回の強い消費者物価によって、100bpでの利上げの可能性が出てきたとか行き過ぎる引き締めにより景気が大きく落ち込むとかいろいろな発言が出てきています。なんか前にも同じようなことを経験したような気がしますが、いつもの恒例行事ということでしょう。市場はいつも勝手な憶測によって勝手に動き、勝手に失望して文句を言います。あまりこれらの動きには惑わされないようにしたいものです。というわけで今日は今後の金融政策についてみていきたいと思います。

9月は100bpでの利上げになる?

8月の米消費者物価指数は予想に反して強いものとなりました。そのためにFRBは従来予想よりも強い引き締めに出てくるのではないかというような憶測もされるようになりました。

ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのエコノミストは来週の連邦公開市場委員会(FOMC)会合について、インフレ上振れリスクの顕在化により、1ポイントの利上げ決定が見込まれるとした。従来予想は0.75ポイントの利上げ。

引用:Bloombergより

このように非常に強かった消費者物価を受けて今後の金利引き上げについてさらに厳しいものになるとの予想が出てきています。

100bpでの利上げの可能性は3分の1以下?

しかし、当然ながら違う意見というものもあります。9月のFOMCでは100bpでの利上げの確率はそこまで高くないというものです。

米連邦公開市場委員会(FOMC)の20、21日の会合で1ポイントの大幅利上げが決定されるとの見通しが、14日の米短期金融市場で若干後退した。

  JPモルガン・セキュリティーズの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏が「ゼロではないが、3分の1を下回る確率」と顧客向けリポートで分析したことが影響した。

引用:Bloombergより

このように先ほどの予想とは正反対の物も出てきました。それだけ市場は神経質になっているということかもしれませんが、こうも正反対のことを言われるとどうしていいのかわからなくなります。

FRBが必要以上に引き締める可能性が出てきた?

市場関係者が混乱していることが確認できましたが、FRBはそうなってほしくないところですが、その可能性も考慮しないといけないのかもしれません。今回の消費者物価によって、FRBは金融政策を強く引き締めすぎてしまう可能性も出てきたと考える人もいます。

米投資会社ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック最高経営責任者(CEO)は13日、米連邦準備制度の金融引き締めが行き過ぎる恐れがあるとの懸念を表明した。

  ガンドラックCEOはCNBCの番組で、20、21日の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で、75ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げが決定される可能性が高いと考えていると述べる一方、連邦準備制度は米経済にオーバーステア(意図する以上の急カーブ)を引き起こしかねず、これまでの利上げが既に与えた影響を確認するために十分な休止期間も取っていないと指摘した。

引用:Bloombergより

消費者物価の値が予想外に強いものとなりましたが、FRBが実際にこの数字をどう見ているのかというのはわかりません。予想通りと思っているかもしれませんし、そうでないかもしれません。どちらにせよ、インフレ抑制にあまりに焦点を当てすぎてしまうために必要以上に引き締めすぎてしまい、景気が大きく後退する可能性もあるということです。これについては以前から懸念されていることです。インフレを恐れるあまりにFRBはやりすぎてしまうのではないかということは昔から言われていました。そして今回の消費者物価の数値を見てその懸念が再燃してきたというところでしょう。

いつもの恒例行事かなという印象

個人的には今回の消費者物価というのはそこまでサプライズなのかという感じはします。以前にも言いましたが正直市場があまりにも楽観的過ぎただけのような気がします。インフレはまだまだ健在であり、FRBもそれに対して強い姿勢で臨んでいくとの発言は以前からしています。そういう意味ではそこまで驚くようなことではないでしょう。そんなに簡単に解決する問題ではないと思います。そして、このようなサプライズが起きた時に今度は異常なまでの悲観論があふれてくるというのもいつものことという感じです。何も変わっていないのに勝手に慌てて行き過ぎるというのはこれまで何度も経験してきました。そういう意味でも今回もまたかという印象しかありません。個人的には9月のFOMCでの利上げはやはり75bpになる可能性が高いと思います。今回の消費者物価の値だけを見て100bpに変更するというのはさすがにやりすぎでしょう。そこまでFRBが慌てているとは今のところ思えません。そういう意味でも少し落ち着いてみればそこまで慌てるようなことではないのかなと思います。

まとめ

今日は強い消費者物価の値を受けて慌てだしたマーケットについてみてきました。個人的にはいつものことで行き過ぎた悲観論がまた出てきたのかなという感じです。長く投資をしていればこのようなことは何度も経験します。なので今回もいつもの恒例行事だなという感じです。おそらくは9月は75bpになる可能性が高いとおもいますが、あくまで予想です。基本的には何が起きてもいいように準備はしておくべきでしょう。あまり悲観論にも楽観論にも流されずに冷静に対処するようにしましょう。