8月の米消費者物価指数は予想に反して強いものとなった

13日に米労働省が発表した8月の米消費者物価指数(CPI)は市場予想を上回る結果となりました。今回はある程度物価上昇が落ち着くのではないかと市場ではみられていたために大きなサプライズとなった格好です。そのため株式市場は大きく下落し、今後の金融政策への警戒感が強く表れる結果となっています。というわけで今日は8月の米国の消費者物価についてみていきます。

8月の米消費者物価指数は予想に反して強いものとなった

13日に発表された8月の米消費者物価指数は市場予想に反して強いものとなりました。

  • 総合CPIは前月比0.1%上昇
  • ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は0.1%低下
  • 7月は横ばいだった
  • 前年同月比では8.3%上昇-市場予想は8.1%上昇
  • 7月は8.5%上昇だった
  • 変動の大きい食品とエネルギーを除くコアCPIは前月比0.6%上昇-市場予想は0.3%上昇
  • 7月は0.3%上昇だった
  • 前年同月比では6.3%上昇-市場予想は6.1%上昇
  • 7月は5.9%上昇だった

引用:Bloombergより

このように今回の消費者物価の値は市場予想を上回る結果となり、改めて米国のインフレが深刻であることが確認される形となっています。今回の発表ではある程度インフレが落ち着いてくることが予想されており、そのためFRBの金融政策も緩むのではないかという憶測もありました。しかし、今回の結果によってその予想は完全に消えたといっていいでしょう。米国のインフレは全く落ち着くことなく、経済正常化への道はまだまだ長い道のりであるということが確認される結果となりました。そのため株式市場は発表後、大きく値を下げることとなり、1000ドル以上の大きな下落となりました。それだけ市場は今回のCPIには期待をしていたということでしょう。しかし、儚くもその願いは打ち砕かれたということです。

マーケットはやや楽観的すぎた

今回の結果を受けての感想はやっぱり市場は楽観的すぎだったということです。米国のインフレは非常に厄介なものとなっています。それだけにこのインフレを撃退し、経済を正常化させるというのは至難の業です。にもかかわらず最近の株式市場はなぜか上昇する場面も多く、理解ができないという印象でした。そして今回のような大暴落を見るとやはり甘い期待をしていたということでしょう。このインフレはそんなに簡単には落ち着かないということです。今回のCPIがそれをよく表しています。

FRBはきちんとした対応をできると期待したい

実際パウエル議長をはじめFRB関係者もインフレ抑制は簡単ではないことは述べていますし、今後も厳しい姿勢で臨むことは常に発言していたと思います。そういう意味では個人的にはFRBにとっては特別サプライズということはないのではないかと思っています。もちろんもう少しインフレが落ち着くことを期待はしていたとは思いますが、何も決めつけてかかっていたということはないでしょう。そういう意味では楽観しすぎた市場が勝手に慌てているのではないかという印象です。

まとめ

今日は先日発表されたCPIについてみてきました。予想に反して強いものということで株式市場は大きく下落しました。しかし、個人的にはそこまで大きなサプライズではなかったかなという印象です。むしろ、今まで楽観しすぎていた市場がようやく目を覚ましたというところでしょう。これで少しは現実を見ることができるようになったのではないかと思います。今後についてはやはり9月は75bpでの利上げになることは間違いないのかなと思います。さすがにこの状況で50bpという決断はしづらいような気はします。市場では100bpの利上げになるのではないかという話も出てきていますがさすがにそれはないような気はします。マーケットはいつも極端な動きをしますので今まで楽観的だった分、今度は過度な悲観論になっているということかなと思います。パウエル議長をはじめFRB関係者はそこまで慌ててはいないのではないかと思いますし、そう期待したいところです。