エッセンシャル・ユーティリティは非常に安定感のある貴族株

エッセンシャル・ユーティリティは連続増配年数29年の貴族株です。公益性の高い事業故に非常に業績は安定しています。長期投資で安定的に利益を上げたいと思う投資家にピッタリの銘柄です。最近はインフレ懸念など、景気の先行きに不安な声も多く聞かれるようになりました。そういう意味でも、同社のような安定感のある株を探している人も多いのではないでしょうか。そこで今日はエッセンシャル・ユーティリティの投資判断について考えてみたいと思います。

事業内容

エッセンシャル・ユーティリティ(Essential Utilities, Inc.)(旧名:Aqua America, Inc.)は、ペンシルベニア州、オハイオ州、テキサス州、イリノイ州、ノースカロライナ州、ニュージャージー州、インディアナ州、及びバージニア州に集中した上水または廃水サービスの提供を行う持株会社である。【事業内容】主要子会社であるAqua Pennsylvania、Incの持株会社である。市場ベースの活動は、Aqua Resources, Inc.(アクア・リソース)及びAqua Infrastructure, LLC(アクア・インフラ)を通じて行われる。Aqua Resources, Inc.は、地方自治体やその公益事業会社のサービス地域に近い他の関係者との運営及び保守契約を通じて上下水道サービスを提供し、第三者を通じ、上下水道管路の修理サービスと保護ソリューションを家庭に提供する。アクア・インフラは、天然ガス掘削業界の企業に非ユーティリティの原水供給サービスを提供する。廃水を処理するために市営の施設に廃水を運ぶ廃水収集システムを所有する。

引用:investing.comより

エッセンシャル・ユーティリティは主に水とガスを扱う公益会社です。2020年にAquaAmericaとPeoplesGasが合併して設立されました。AquaAmericaは主にペンシルベニア州、イリノイ州、オハイオ州、テキサス州、ノースカロライナ州、ニュージャージー州、インディアナ州、バージニア州の一部で水道事業を提供しています。Peoplesは、主にペンシルベニア州、ケンタッキー州とウェストバージニア州の一部でもガスサービスを提供しています。エッセンシャル・ユーティリティは、100万を超える上下水道と75万のガス設備を備えており、10州の約500万人にサービスを提供しています。エッセンシャル・ユーティリティは1886年に設立され、1971年にNYSEへ上場しています。

通期業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

業績は緩やかな上昇傾向を描いており、非常に安定感があります。去年は売上が非常に伸びています。この原因については確実には言えませんが、天然ガス買収の影響が大きく出ている可能性があるかもしれません。いずれにせよ、非常に業績は好調と見ていいでしょう。

株価の推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

株価も大きな変動もなく、着実に上昇しているようです。去年の新型コロナウィルスの影響も大きくなく、すでに回復しています。流石に公益性の高い企業なので、影響は少なかったのでしょう。そういう意味でも、非常に安定感のある企業と言えます。

セグメント構成

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

水事業約64%、天然ガス事業約35%となっています。非常にわかりやすい企業です。そしてどちらも公益性が高く、不況にも強い企業であるとわかります。反面、大きな株価の上昇はなかなか難しいもとと思われます。

セグメント業績推移

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

以前もありましたが、データがうまく反映していないようです。直り次第、訂正したいと思います。

年間配当履歴

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

非常にきれいな右肩上がりのグラフです。事業の特性を考えると、今後もこのような安定した配当を期待できるでしょう。

配当利回り 配当性向

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

配当利回りは2.2%とそこまでは高くないです。しかし、今後も緩やかながら上昇していく可能性は十分にあると思います。よって、長期的に見れば問題ないでしょう。配当性向も

60%台と、標準的で問題はありません。

PER

引用:マネックス証券 銘柄スカウターより

一時期大きく上昇していましたが、そこから徐々に下落傾向にあり、そろそろ過去の平均的な値と近くなってきている感じです。そういう意味では投資タイミングが近づいてきていると見ていいかもしれません。

貴族株指標

  • 増配年数 29年
  • 配当利回り 2.33%
  • 1年増配率 6.99%
  • 3年増配率 6.99%
  • 5年増配率 7.17%
  • 10年増配率 7.47%
  • 配当性向 67.05%
  • PER 28.8

参照:U.S.DividendChampions 2021/09/30より

連続増配年数29年は非常に立派な数字です。公益性にある事業をしていますから、今後も安定した業績を期待できます。増配年数もしばらくは順調に伸ばしていくでしょう。配当利回りはそこそこといった感じです。そこまで高くはないですが、長期的に見れば安定した配当を受け取れる可能性が高いので、十分だと思います。増配率は非常に安定感があります。この10年7、%前後の上昇をずっとキープしています。やはり、事業が安定しているので、配当も計画的に上げやすいのでしょう。投資家としては非常に安心して投資できる銘柄だと思います。配当性向は67.05%と許容範囲でしょう。ここより高くなると若干危険な領域に入ってきたと感じる印象です。今のところは問題ありません。PERは徐々に下落していて、ようやく平均的なレベルに近づいたところです。若干まだ下落の余地はありそうなので、しばらくは様子を見るのもいいかもしれません。

まとめ

今日はエッセンシャル・ユーティリティについてみてきました。公益性の高い事業を行っているだけあって、安定感は抜群という感じでした。配当を狙うには若干利回りが低めなので、長期的な視点が必要かもしれません。株価についても、最近はPERが下落傾向を示しており、落ち着きを取り戻している感じがしますが、もう少し下落するかもしれません。米国経済もインフレ懸念など、不透明な部分も多くなってきていますので、何かのタイミングで大きく下げる可能性もあるでしょう。そういうときにうまく投資できるようにしておきたいと思っています。