FOMCの発言を受けて株式市場が上昇

先日、米国の先行きを占う意味でも重要なFOMCが開催されました。現在、米国は高い物価上昇に悩まされており、テーパリングの早期終了や早期の利上げなど非常に重要なテーマについての発表がありました。簡単ですが今回は先日のFOMCについてみていきたいと思います。

テーパリングを加速

FOMCは14、15両日に開催した定例会合で、毎月実施している資産購入について米国債と住宅ローン担保証券(MBS)合わせて月額300億ドル(約3兆4000億円)のペースで縮小させることを決定した。縮小ペースを従来の2倍に加速させる。このペースで縮小を進めると、資産購入プログラムは2022年早期に終了することになる。当初は同年半ばの終了を予定していた。

引用:Bloombergより

テーパリングは想定よりも早く終了させるようです。パウエル議長はハト派として知られていましたが、最近はタカ派に変わったといわれるように引き締めに積極的になってきています。一時的といっていた消費者物価の伸びも高止まりしていることから政策の転換を迫られたのではないかというのです。最近のパウエル議長の発言を聞けばハト派からタカ派へ変わったといえるのかもしれませんが、ここまで物価の上昇が続けばハトだって厳しい対応をせざるを得ないでしょう。そのくらい米国のインフレは厳しいものだと思います。なのでパウエル議長が特別変わったとは私は思っていません。当然のことをしただけのように思います。いずれにせよ今後米国はインフレ抑制に力を注いでいくことになるでしょう。そのための方針も併せて発表されています。

22年は3回の利上げを示唆した

テーパリングの早期終了と合わせて、来年は3回の利上げの必要性を示しています。これは市場予想よりも大きなものでした。9月の時点では利上げの時期については大きく二分する発言がありましたが、今回の内容では23年に3回、24年に2回の利上げが必要とかなりのペースでの利上げの必要性を示唆するものでした。それだけFRB内ではインフレに対する警戒感が強くなっているのだろうと思います。ただ、オミクロン株など新型コロナウィルスの影響についても懸念しており、状況によっては変化する余地は残しているものと思います。しかし、現在の状況では経済状況の一段の回復が見込めるため、利上げのペースを上げざるを得ないというところです。

市場の動きはよくわからない

今回のFOMCはFRBのインフレに対する警戒感が非常に強くなっていることが分かる発表でした。早期のテーパリング終了と年3回もの利上げという非常に厳しいものとなっています。市場予想よりも強い引き締めとなっており、株式市場にとってはマイナス要因です。しかし、発表当初こそ株価は下げたものの、その後は上昇して取り引きを終えました。理由としては米国経済は利上げに耐えうるとの観測が出たためだそうです。こういうことを聞くたびに何とも複雑な気持ちになります。こんなこと予想できるはずもありません。利上げは株式にとってはマイナス要因であることは間違いありません。しかも予想よりも大きな利上げでした。それなのにもかかわらず株式は上昇するのです。その理由は市場は耐えられるからというもの。そんな理由で株価が動かれるようではとても個人投資家には予想できるものではないでしょう。本当にわけがわかりません。投資タイミングについて議論が起こることがありますが、こういうことが起こるたびにそんなのわかるわけないと感じてしまいます。やはり、何が起ころうとも計画的に投資していくというのが一番いいのだと思います。周りの動きに合わせて投資をするというのは難しすぎます。

まとめ

今日は先日のFOMCの結果についてみていきました。発表内容としてはFRBがインフレに対して非常に警戒感を持っていることが分かるものでした。今後はインフレ抑制を重点的に行っていくことが予想されるため、株式市場にとっては追い風ということはありません。したがってしばらくは今までのような強い上昇というのは起こりにくいような気がします。しかし、FOMCの発表後に株式市場が上昇したことでもわかるように、早期のテーパリング終了と利上げがあったとしても米国経済は力強い成長をする可能性があります。したがってそこまで悲観的になる必要はないのかなと思いました。今後も世の中の動きに流されることなく計画的に投資をしていくことが重要でしょう。