FRB関係者の発言から今後の金融政策について考えてみる

今後の金利動向についてはまだ決定的なことは言えないようです。FRB当局者の発言がいろいろと聞こえて吐きますが50bpになるのか75bpでの利上げになるのか何とも言えないといったところです。それだけ難しい判断が迫られる状況なのだということだと思いますが、わからないといった状況は投資家としては何ともつらいとしか言いようがありません。まあ、あまり考えたところでどうしようもないので、なるようになるでしょう。というわけで今日は今後の金融政策についてどのようになるのか、最近のFRB当局者の発言を見ていきたいと思います。

FRB関係者が今後の金融政策について相次いで発言

今週はジャクソンホール会議が行われるということでFRB当局者の発言が非常に注目されるところです。そして最も注目されるのがパウエル議長の発言ということになりますが、それ以外のFRB当局者の発言も相次いで発表されています。

経済シンポジウム(ジャクソンホール会議)が開催されるジャクソンホールで、カンザスシティー地区連銀のジョージ総裁はCNBCに対し、9月の利上げ幅を0.50%ポイントもしくは0.75%ポイントのいずれかにすべきかの判断は「時期尚早」という認識を示した。

同時に、金利上昇が失業率の上昇につながるおそれがあるほか、すでに家計や企業の支出を圧迫し始めているものの、「インフレを目標に戻すというわれわれの責務は極めて明確」と強調した。

さらにブルームバーグとのインタビューでは、利上げによる望ましい効果を得るために、フェデラルファンド(FF)金利が最終的に4%を超え、その水準に当面とどまることが必要な可能性があるという見解を示した。

フィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁もCNBCに対し、「FOMC参加者の経済・金利見通し(SEP)で示された金利予測の中間値である3.4%を超える水準まで引き上げた後、しばらく様子を見るのが望ましい」とし、大幅な利上げを実施した後に利下げに転じる方針は支持しないとの考えを示した。

9月のFOMCについては、3回連続での0.75%ポイント利上げ、利上げ幅を0.50%ポイントに縮小することのどちらが適切か判断するには次のインフレ指標を見極める必要があると語った。さらに、利上げ幅が0.50%ポイントに縮小されたとしても、かなりの大幅利上げになるという見方を示した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、次回9月の会合で0.75%ポイント、0.50%ポイントいずれの利上げ幅が望ましいか決めかねていると語った。

その上で、インフレや雇用関連指標が引き続き強い内容となれば、「0.75%ポイントの追加利上げが正当化される可能性がある」とし、インフレが確実にFRBの目標である2%に向かうまで、高金利を「断固として」維持し、利下げの誘惑に「抵抗する」とも述べた。

セントルイス地区連銀のブラード総裁は25日、ジャクソンホールでCNBCのインタビューに応じ、政策金利を現在の2.25─2.50%から年末までに3.75%─4.00%に引き上げたいとの認識を改めて示した。その上で、こうした「前倒し」での利上げを支持するのは「インフレ対策に真剣であるためだ」と説明した。

パウエルFRB議長は26日にジャクソンホール会議で講演する。引き締めに積極的とのメッセージを発し、来年の利下げ期待を打ち消すと予想されている。

引用:ロイターより

このようにFRB関係者が相次いで今後の金融政策について発言をしています。これは市場に対するメッセージということでしょう。これを見てみると、少なくとも今後の金融政策に対してタカ派の姿勢で臨んでいくということには変わりないように見えます。いずれも金融政策を緩めるべきと思っている人はいなく、インフレ退治のために厳しい姿勢で臨むべきと考えている人が多いようです。ただ、9月の利上げ幅についてはまだ決めかねているという感じで、50bpになるのか75bpになるのかはまだわからないといった感じです。最近の経済状況を見ると米国経済はさすがに減速してきた感はありますが、依然として労働市場などは堅調であり、何とも判断しづらい感じはあります。不動産市場を見ると住宅販売が急減しており、経済にとって悪影響が明らかに出てきていることがわかります。しかし、雇用は依然として堅調であり、まだまだ米国経済の力強さも残しているのも事実です。このような状況を考えると非常に難しい判断を迫られるのだろうとは思います。個人的にはこれだけ労働市場が堅調なのであれば、インフレを抑制するためにも引き締めを強めた方がいいのではないかと思っています。なので75bpでの利上げが適切なのだろうといった感じです。

まとめ

今日はFRB関係者の発言から今後の金融政策について考えてみました。9月の利上げについてはまだ何とも言えないといった状況でしょう。今後の経済指標次第でいくらでも変わるのだろうといった感じです。ただ、いずれにしてもインフレがすぐに終息するということはなく、しばらくこの状態は続いていくのだろうといった感じがします。金利についてもすぐに下げるべきではなく、引き上げた後しばらく様子を見るべきだという意見が多いこともあり、まだまだ経済正常化への道は険しそうです。株価が順調に上昇するのはまだ先なのかもしれません。